大阪秋の陣の顛末

 橋下徹さんの圧勝だった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111127-00000064-mai-pol
 この件で、友人は橋下さんの勝ちを予測していた。ワシャはというと橋下さんにシンパシーを感じながらも、大阪ポピュリズムに懸念があったので、大阪市民への期待をこめて平松氏の勝利に賭けた。はいはい、ワシャの敗けです。
 大阪市長選は、五分五分だろうと思っていた。だから、平松さんにのったんですがね。しかし、大阪府知事選のほぼ値ではあるがWスコアは予測できなかった。
 当選した松井一郎氏が、2,006,195票、 倉田薫氏は、府内21人の首長の応援を取りつけ、民主、自民の二大政党をバックにつけたにも関わらず、1,201,034票にとどまった。従来型組織票依存選挙が大敗北をした瞬間だろう。
 そして橋下徹という独裁者の誕生でもある。もちろん独裁者でなければ、閉塞した行政に風穴は開けられぬ。大阪という腐った行政を大改革するには、橋下徹しかなかったのかもしれない。
 しかし、忘れないで欲しい。ヒトラーを産み出したのも、閉塞していたドイツ社会だということを。ヒトラーの登場をドイツ国民が熱狂して迎えたことを思い出してください。

 以前、名古屋で橋下知事、大村愛知県知事、河村名古屋市長などが集って、パネルディスカッションを開催したことがある。
http://d.hatena.ne.jp/warusyawa/20110801/1312145533
 3人の話をうかがったその時の評価は、橋本>大村>河村という印象だった。それは今でも変わらない。そういった意味からいえば、大阪はいい人材に恵まれたというべきなのだろう。
 愛知、名古屋の凸凹コンビとは違って、松井大阪府知事は、橋下信者である。そういった意味から言えば、凸凹より紐帯は強い。強いどころか、橋下の傀儡なのだ。だから逆に危うさも感じるのである。

 最後に『わが闘争』から引く。
《大衆の国民化はけっして中途半端や、いわゆる客観的立場での弱々しい強調ぐらいでは起こるものではなく、とにかく追求しようと思った目標に向かって容赦のない態度、熱狂的に一方的な態度をとることによって可能になるものである。》
 橋下さんの強い発言に対して一抹の不安を持っている。