なんでもやればいいというものではない

 今朝の朝日新聞を見て驚いた。名古屋で開催されている「世界コスプレサミット」にハリセンボンの春菜
http://image-search.yahoo.co.jp/detail?p=%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%B3%20%E6%98%A5%E8%8F%9C&rkf=1&ktot=4&dtot=4
宇宙戦艦ヤマトデスラー総統に扮して出ているのか……と思って、記事を読み進めて愕然とした。
 春菜ではなかった。愛知県知事の大村さんだった。
http://rocketnews24.com/2011/08/06/119225/
 下をクリックして少しページダウンすると大村総統が出てきますぞ。
http://blog.esuteru.com/archives/4353561.html
 これらの写真はまだいいほうだ(笑)。朝日新聞の社会面に河村ミャーミャー市長と並んでいる写真を見た時には、本当に春菜だと思いましたぞ。
 記事によれば、大村知事は「腹回りが1メートル近くあって、似合うコスチュームがこれしかなかった」と弁明していたようだが、まず、似合っていないし。
 そもそもガミラス帝国のデスラー総統は長身細身のクールでダンディーな男である。短躯小太りの大村さんではギャグにしかなるまい。河村さんの扮装は、少し派手目の和装をして「徳川宗春」ということらしいが、まぁ和装なので無難な選択ではある。それでも奇妙なのだが、大村さんのデスラーは突き抜けておかしい。芸能人ならば罰ゲームといったところだろう。
 誰か周辺に忠告をするスタッフはいなかったのか?仮にも750万県民の代表なのである。国会議員だった頃も「TVタックル」でちょんまげ姿を披露していたが、一国会議員と愛知県知事ではその重みが違う。おっちょこちょいも度が過ぎると見苦しい。
 先日の橋下知事とのやりとりが良かっただけに、こういった軽躁な行動が惜しまれる。いやいや、なにも以前の知事たちのように威張ってふんぞり返っていろということではない。そういったイベントに出るのであれば、場当たり的な急ごしらえでなく、綿密に計算して落ち着いた対応をしなければいけない。
 どうせ扮するなら、徳川家康はどうか。大村知事が三河出身ということもある。彼自身、自らを家康に準えたこともある。体型的には家康なら無理がない。そして家康になるなら、徳川美術館所蔵の「三方ケ原完敗に意気消沈する徳川家康」を模して、議会対策が今一つうまくいかない現状を体現すれば、議会への痛烈な皮肉にもなる。また、宗春は家康の玄孫、家康の格が三つも四つも上にあたる。河村ミャーミャーさんに、そろそろ格の違いを解らせるいい機会だった。
 ただ単にイベントに顔を出してアリバイをつくるというだけでは、いかにも政治家として浅い。その動きに幾つもの含みがあってこそ、政治家の存在感は増し、威厳が備わってくる。
 愛知県ほどの巨大な集団のトップともなれば、行動や言動にはつねに意味を持たせなければならない。そのことがトップの奥行きとなり幅となり、周囲が「なるほどあの知事ならば」と認めてくれるのである。フットワークがいいことは重要だ。しかし、尻の軽いおっちょこちょいでは駄目だということを自覚したほうがいい。