立川(18日目)

 午前5時、台風の余波で風が少し強い。細かい雨も降っている。朝食を買いだしにコンビニまで歩く。な、なんと……半袖シャツから出ている腕が寒い。秋の長雨時のような天候だ。

 四国まで直進してきた台風6号は、高知県に上陸する直前で右に旋回し、紀伊半島をかすめて東海沖を通過し、今は八丈島の沖合いを6号が生まれたマリアナ海域に向っている。ちょうど戻るような格好だが、そうはならない。まもなく進路を北に変えて北西太平洋で消滅するだろう。
 ワシャは長らく防災担当をしていた。だから、台風シーズンになると天気図とずっとにらめっこをする生活だった。また、過去の台風の進路図なども取り寄せて、解るわけもないのに、台風の傾向と対策を必死に研究していた。アホでしょ。
 それはさておき、ワシャは、何百という台風の進路を見てきたつもりだが、こんな進路をとった台風は記憶がない。確かに、地球の何かが狂ってきているような気がする。
 コラムニストの勝谷誠彦さんは、高知で降った1000ミリの雨に着目し、「この惑星の気象がダイナミズムを増しているという傾向になるのは間違いないような気がする」と言っている。ワシャは雨の量もさることながら、大きくうねる台風の動きに地球の異変を感じ取った。
 勝谷さんは続ける。
武田邦彦さんの信者である私は地球温暖化などというペテンは信じていない」と前置きして、「むしろそれは太陽の活動に依拠するように思われる」と言う。
 この日記でも、アメリカの原子力推進派の宣伝マンであるアル・ゴアを叩いてきた。
http://d.hatena.ne.jp/warusyawa/20100527
 もちろん、いかさま野郎どもの唱えるCO2悪玉説に与するものではない。でも、確かに地球に異変が起きつつあることは確かだ。皆さん、ご注意めされよ。

 唐の太宗が編んだ『貞観政要(じょうがんせいよう)』という書物がある。これがリーダー論としてまことによくできている代物だ。北条幕府や徳川幕府が長く政権の座を独占したものこの書物を重んじたためだとも言われている。上智大学名誉教授の渡部昇一さんは、「織田氏豊臣氏の政権が短命に終わったのは、書、とくに『貞観政要』を知らなかったからではないか」と言っておられる。
貞観政要』にこうある。
「君の明らかなる所以(ゆえん)の者は兼聴すればなり。その暗き所以の者は偏信すればなり」
 兼聴とは、多くの意見に耳を傾け、多くの情報に目を通すことである。リーダーはその中から、これはと思う事柄を採用するとすれば、間違うことはない。偏信とは、偏った情報ということで、一人の偏見や、一方向だけの情報だけでは、道を誤ることになる、というようなことだろう。こういったリーダー論がびっしりと書いてある。
 これからリーダーを目指すパセリ君、是非、『貞観政要』のご一読をお薦めいたしますぞ。