太股(ふともも)

「股(もも)を割いて腹に充たす」とは、目先の利益だけを考えて、結局、損害を招いてしまう、あるいは自分の利益ばかりを考えていると、かえって足元をすくわれて自分が転んでしまったというようなたとえで、「貞観政要」の中にある。

 政治家や実業家の2世、3世に多いのだけれど、根拠なく己の弁舌に自信を持っている輩、これが男女を問わず、話す時に、同じような口調、同じような口角の下げ方をするからおもしろい。阿呆は似るんですな(笑)。
 誰のことを言っているかというと、至学館大学学長の谷岡郁子オバサンのことである。ワシャはずっとこの人には批判的な論調を貫いてきた。貫いてきたなどと偉そうなことを言えないが、政治家のころからずっと不信感を持っていた。この日記でも2012〜13年にかけて5回ほど書いている。
 この人が、女子レスリングのパワハラ問題について発言した。当事者の栄監督が至学館大学の職員だからね。その擁護会見はどうしようもないものだったが、それはあちこちで叩かれているのでワシャは会見の内容そのものには触れない。
 ただ、途中の発言で伊調選手の足の怪我について「ふとまたの怪我」と言っていたことは指摘しておきたい。「ふともも」の怪我だよね。あるいはレスリング業界では「ふともも」を「ふたまた」と言うのかもしれないが、少なくとも「広辞苑」、「日本国語大辞典」には載っていなかった。
 なにしろ鼻につくオバサンである。鳩山ポッポ首相が、対米強硬政策を取った裏にはこのオバサンの影があったとかなかったとか、そんな噂があるくらいだから、まぁそもそも嫌いなんでしょうが。
 伊調さん、栄監督、どちらがどうと言うこともなかったんだけど、このオバサンが出てきて伊調さんの悪口をまくし立てたおかげで、ワシャは伊調派になってしまったのじゃ。
 己の大学のイメージを守ることばかりを考えて、結局、大損をしてしまったようだ。伊調さんへの思いやりの言葉が片鱗でもあれば、至学館のイメージアップにつながったのに。またを割いて腹に充たす……てか(笑)。