午前3時起床。北海道から来ている仲間の差し入れの「ちゃぷべつあかずきんちゃん」という名前のトマトジュースを飲む。このトマトジュースは目が覚める美味さだ。
さてと、目が覚めたところで机に向かう。月末に提出するレポートを書かなければいけない。
4時30分、少し疲れた。気晴らしに寮の5階の窓から外をうかがう。おや、風は強いけれど、雨は降っていない。しめた。これならコンビニまで行けそうだ。
1階へ降りて、玄関を出る。窓からは確認できなかったが、霧のような雨が風に舞って肌に心地いい。ときおりゴウと風が鳴るが、街路樹をゆするくらいで、傘をささぬワシャには関係ないわさ。
コンビニで、朝食と飲み物、週刊誌を購入して寮にもどる。朝食をとりながら、レポートの続きを書く。
5時30分、東の雲の切れ間から太陽がチラリと顔を出す。レポートに飽きてきた。バスタブに湯を張りながら、ブログを書き始める。湯は一杯になったけれど、ブログはまだ途中でやんす。
今、時計を見ると6時を回っているではあ〜りませんか。日々の授業のまとめもできていないし、週末に出す提出物もまだできていない。こりゃ大変だ。
シャープの会長である町田勝彦氏がこんなことを言っている。
「ぜひリーダーに望みたいのは『現場主義』です」
町田氏は、現場の人たちの顔色を見ていれば、うまくいっているかどうかすぐに状況がわかるという。現場に足を運んでいれば、報告書を読んだときにも、書いてあることが実際どの程度のもので、現場の達成度合いがどのくらいなのか見えてくる、と言っている。
また、ユニクロのCEOの柳井正氏は、
「現場の第一線に立つ人間こそ、本部に対して直言し、会社を変えなければならない」
と断言する。現場と本部を直結することで、組織を強くしていくのである。
三菱重工業の会長、佃和夫氏はミドルマネージャーにこう語りかける。
「現場の一人ひとりに対し『どうしなければいけないか』を、彼ら彼女ら自身の、日々の行動計画に落とし込めるようになるまで説明するのがミドルマネージャーの責任です」
ミドルマネージャー、いわゆる中間管理職に現場の人間を把握しろと言っているわけだ。
図らずもこの3人が放った言葉に共通するのが「現場主義」ということである。どのトップも現場をおろそかにしては経営など成り立たないことを熟知している。
戸部良一編『失敗の本質』(中公文庫)の冒頭に「ノモンハン事件」の事例研究があり、その中で著者はこう言っている。
《ノモンハン事件以前に日本陸軍が師団以上の兵力でソ連軍と交戦したのは、大正八年(一九一九)〜同一一年にかけてのシベリア出兵、昭和一三年の張鼓峰事件があるが、いずれも日ソ両軍の本格的な戦闘とはいいがたく、それゆえノモンハン事件からは多くの教訓と示唆が得られたはずであり、物量を誇る米英との大東亜戦争に対する貴重な教訓になるはずであった。》
しかし、そうならなかった。ノモンハンという現場での出来事を、関東軍参謀本部や大本営はしっかり把握しておかなかったのである。あるいはその後の悲劇の大きさを考えると、この戦いの現場検証をしなかったことが惜しまれてならない。