真実は見えない

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110702-OYT1T00565.htm?from=y10
 59歳の教諭が、中学1年の生徒の頭を叩いたんだとさ。
 えーと、このニュースでは教諭が一方的に「悪」として書かれているけれど、真実は見えてこない。
《平手でたたき》とあるが、どんな叩き方だろう。「ポン」なのか「バシッ」なのか「バチッ」なのか「ビタン」なのか。
《髪をつかんで前後左右に揺さぶった》とは、どんな動きなのだろう。単に頭に手を置いて「グリグリ」と揺すった程度ではなかったのか。記事の描写が甘いので、状況がちっとも伝わってこない。
 平手とはいえ頭部を「ビシッ」と叩いて、髪の毛むんずと掴んで、前後左右にぐいぐいと振り回し、挙句の果てに生徒の机を足蹴にして、その机が勢いよく生徒の腕に激突して痣ができるほどの負傷を与えたとするなら、この教諭、むちゃくちゃな暴力教師ではないかいな。昨今、そんな根性の入った教師がいるものだろうか。
 しかし、現実には、気の小さい退職直前の教師が、クソ生意気なガキにからかわれてカッとなったのかも知れぬ。小さな教室の中で起きたことで、誰もが嘘を平気でつく時代、真実は藪の中ということ。こんな判らない詰まらない話で紙面を埋めるなよ。

http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20110703-OHT1T00023.htm
 市川海老蔵が9ヶ月ぶりに舞台に復帰する。ようやく日本の伝統文化の至宝が息を吹き返したか。よかった。旅の途中で、新橋演舞場に寄ろうかな。でも、ミーハーおばさんたちにチケットを買い占められちゃったかなぁ。
 そもそも、繁華街で梨園の御曹司とチンピラが喧嘩したというだけの話ではないか。(詳しくはこちら)
http://d.hatena.ne.jp/warusyawa/20101209
 ボコボコにされたのは、海老蔵のほうで、相手のブラジルのチンピラはビクともしていない。確かにそんな連中のたむろしているところに行ってしまったことについては、海老蔵に非があるだろう。しかし、非はその程度のことである。マスコミはこぞって海老蔵を叩いたが、果たして9ヶ月も謹慎させなければならないほどのことだったのだろうか。
 六本木の飲み屋の奥で起きた事件である。目撃者はチンピラの仲間と海老蔵しかいなかった。これも藪の中の事件と言っていい。

 真実は見えにくい。だから、マスコミはわずかな情報で蜂の巣を突いたような大騒ぎをするのではなく、じっくりと観察してからでもいいような気がする。

 今、「新報道2001」を見ている。司会者、コメンテーター、ゲスト、みんながみんな、スーツの上着を着込んでいる。にも関わらず、アップになっても涼しい顔である。センスを使うわけでもない、タオルで汗をぬぐうわけでもなく、この暑さの中、どうやって涼しい顔を維持しているのか。
 海江田経済産業大臣自民党衆議院議員甘利氏、東レ研究所特別顧問佐々木氏、ずらりと並んだ男たちがなぜ汗をかかない。そりゃぁテレビ局がガンガンにエアコンで冷やしているからに他ならない。

 おいおい、NHKの「日曜討論」でも出演者たちはしっかりと背広を着込んでいる。「新報道」のほうは、海江田や甘利はノーネクタイだったが、こっちに出演している民主党の岡田幹事長、自民党の石原幹事長、みんなの党の江田幹事長、共産党市田書記局長など、きっちりとネクタイを締めて出演している。真実は見えないが、蒸し暑い、むさくるしい姿は見える。

 マスコミがどの口で節電を言うかね。