地震の話

 他人ごとではありませんぞ。
 6月30日の地震により松本市内で死者が出た。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C889DE1E3E6E5E3E6E6E2E2E0E2E5E0E2E3E39191E3E2E2E2;at=ALL
 震度5強で室内に積んであった本が崩れ、その下敷きになったらしい。ワシャの背後にも2.4mの書棚がそそり立っている。恐や恐や……。

たかじんのそこまで言って委員会」に出演し、その特異なキャラクターで人気のある東京大学のロバート・ゲラー教授がこんなことを言っている。
「過去30年間、日本で大きな被害を出している地震は、政府の予測と違った場所で起きています」
「そもそも、いつ、どこで、どの程度の地震が起きるなど、現在の研究レベルでは予測することは不可能です」
 ワシャもそう思う。

1976年に東京大学(当時)の石橋克彦氏が、東海地震説のもとになった「駿河湾地震説」を発表した。「30年以内に東海地震は必ず起きる」この説に同調したマスコミは大騒ぎをして、住民の不安を煽りに煽った。このため静岡県は、灰神楽が立つような大騒ぎになった。
 あれから35年、東海地震はどこへ行ってしまったのだろう。

 ゲラー教授は言う。
「日本全国どこでも地震の危険性はあります。逆に地域を特定することで、他の地域の住民が、自分の住んでいるところでは起きない、と思ってしまう弊害の方が大きいです」
 東海地震は「明日、起きてもおかしくない」と言われていた。「明日、起きてもおかしくない」地震がまだ起きていないのだから、兵庫県は大丈夫だ、岩手県は大丈夫だ、と思ってしまっても仕方がない。今回の被害を甚大にしたのは、あるいは、ほとんどデマのような政府のアナウンスではなかったか。

 過日、豊田市の商工関係者と話す機会があった。彼は悲鳴のようにこう言った。
「海外向けの部品が締め出されている。その理由が、部品が放射能汚染されている可能性がある、というものだ。福島と愛知がどれほど離れているのか、まった理解していない。だから、ガイガーカウンターで全部品をチェックするという大変な作業を強いられている」
「親会社から海外移転の話を持ちかけられている。まだ国内に留まるつもりだが、不安定な電力供給が続けば移転せざるをえない」

 日本を支える製造業が集中する東海地方の電源を、国民に媚びるためだけに、何の検討もしないまま「浜岡原発を止める」と言っちまった菅首相、この人に先見性というものはない。