三陸からの便り

 岩手県陸前高田市、大船渡市、住田町でボランティア活動を続けている友人が、昨日、久しぶりに愛知県に戻ってきた。前々から連絡は取り合ってはいたのだが、311以来、彼が三陸に行きっぱなしなので会って話すことは叶わなかった。それが、愛知に戻ったついでに、ワシャの仕事場を訪ねてくれて、近況報告をしてくれた。
 彼はボランティア本部の責任者で、70日にわたって現地に入っている。彼の活動は地に足がついていて、早い段階で対象エリアを旧気仙郡に絞り、そこに対して重点的な支援を行っている。
 彼は言う。
「連休以降、ボランティアの数が足らない。家屋の中の清掃などのオーダーが1日400件ほどあるが、対処できるのはその10分の1ほどで、まったく復旧の目途が立たない」
 だから彼は、観光バスを使った40人50人といった大口のボランティアの派遣を、愛知県内の企業や自治体に要請して回っているところだという。
三陸には人力が必要だ」
 311以前はふっくらとしていた友人だったが、今はすっかりしまった体に、日に焼けた顔が精悍だ。
「今回の災害復旧には時間がかかる」
 そんなことはいろいろなところで言われていることで、さして目新しいことでもないが、2カ月余にわたって現地で活動している人間の口から出ると重みがある。

 東北の復旧・復興はまだまだ遠い。