ワシャがよくいく居酒屋は70歳の頑固なオヤジが切り回す小さな店である。時期になると美味い生ガキやフグを食べさせてくれるのでちょくちょく出かける。締め鯖が絶品で、こいつを肴にして飲むお酒はたまりませんぞ。
ネタはカウンターのネタケースに並べてあって、そこにあるものはほとんど刺身で食わせてくれる。でも、ときには、
「こいつは刺身にならない。煮ようかね」
となる。ネタに関して絶対に妥協しない。ワシャだって刺身を食ってウン十年のベテランである。
「まったく大丈夫そうじゃん」
とチャチャを入れるのだが、オヤジはこう言い切る。
「もちろん刺身で食えますがね、でも、味が落ちているんですよ。山葵と紫だけではごまかしが効かない。煮るなら、オレの腕で味をフォローできますからね」
生で食べられるものを、あえて生で食べさせない、これがプロである。
生の食材を、マニュアルに従って提供する。こんなものはプロじゃない。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110508k0000m040129000c.html
あらためてチェーン店の怖さを垣間見た。
こちらも、賞味期限切れのだらだらの刺身を食わされたような試合だった。産経ニュースが辛辣なのでそちらを引く。
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/110508/mrt11050800210000-n1.htm
「興毅凱旋“タナボタ挑戦者”またもマッチメーク」とタイトルの付け方もうまい。
《勝てる相手を見つけるマッチメークのうまさは絶妙だが、こういった相手との試合を重ねていては真の王者として尊敬を集めることは難しいだろう。》
これは亀田興起サイドの判断もあるだろうが、やはりゴールデンにこのボクシング戦を放映するTBSの思惑もかなり入っている。TBSは社として亀亀兄弟を売り出したくて仕方がないのだろうが、こんな八百長タイトルマッチばかりやっていると、ボクシングそのものが大衆から飽きられてしまうような気がしてしょうがない。
そうそうTBSと言えば、現在発売中の、日垣隆『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』(講談社)に、ハチャメチャTBSの話が具体的に書いてある。本のタイトルがやたらと長いけれど、面白い本なのでご一読をお薦めします。
ゴールデンウイーク中に取り掛かっていた大きな仕事が昨日の夜、一応の目途がついた。ほっとした。まだ、その仕事についてはフォローすべきことが山ほどあるので、今後も本業の合間をぬってコツコツと仕上げていかなければならない。でも、充実感はあるんですよ。