設楽ダムの存廃について その2

(上から続く)
 愛知県の大村知事が現地を視察したそうだ。
http://mytown.asahi.com/areanews/aichi/NGY201103240010.html
 記事には「大村知事の英断に期待したい」と書いてあるが、はてさて河村市長の子分の大村さんにどれほどの決断力があるのかお手並みを拝見したい。しかし、この御仁、影響されやすいというか、自己を確立していないというか、最近、テレビの受け答えでも河村市長よろしく名古屋弁が飛び出すようになったでいかんぎゃぁ。大村さん、生粋の三河人であり、せっかく三河人から県知事にまで登りつめたのだから、「だだくさ意見が聞きたいじゃん」とでも言って欲しいじゃん。

 賛成派にしろ反対派にしろ、どちらの住民も国の愚策に振り回されてきたことだけは間違いない。いつの時代にも、おろかな為政者のために民草はないがしろにされ続けるものなんですね。

 「当初は反対だった。しかし、説得されて賛成に回った。ところがいつまでたっても事業は進まず蛇の生殺しだ」
 ニュースで水没地域の地権者の方がそう言っていた。この人の言うとおり、この40年間のご心労は大変ものだったろう。でもね、少し考えてほしい。国が100%悪いのは理解している。それを大前提としても、まず何のために必要なダムなのということを立ち止まって考えてほしい。本当に地域のために必要不可欠なものであるなら工事着工もやむをえないだろう。しかし、建設の発端が諸々の利権による誘導だとするなら、これは着工してはいけない。奥三河設楽町のダム建設予定地あたりは、何度も何度も行ったことがある。山深く、ちょうどこの季節は新緑が燃え立つように素晴らしい。日本人は、山また山の田舎の風景をどこにでもあるものだと思っている。ところが、地球上にこんな深々と緑が湧いている土地というものはまことに少ない。日本の国土、とくに山深いところは、地球上の宝と言ってもいい。そういった観点から、ダム建設の可否を考えてほしい。けっして目先のチンケな金のために子孫への遺産を損なうようなことがあってはいけないと思う。