厳しい支配人

 昨日の午後、某所にて市民団体が主催する100人規模の討議会があった。ワシャの会社のメンバーもスタッフとして手伝うことになっていた。

 この討議会、お茶を飲みながら気楽に町の将来を語り合おうという会で、市民、行政、企業などから参加を募る。ワシャのチームは、討議する参加者をフォローする裏方だった。会場準備から始まって、参加者のオーダーを確認してコーヒーやジュースを出すのが主な役回りとなる。
「だったらさ、ただお茶を出すだけでは芸がない。こうしようぜ」
 と提案し、10人ほどのスタッフに白シャツ、蝶ネクタイ、黒いズボン、黒い靴、そして黒のソムリエエプロンという出で立ちをさせて、会場のコーナーに勢ぞろいさせた。これは参加者の注目を集めましたぞ。ボランティアが普段着で無造作にお茶を出している、なんて、ダサいじゃないですか。
 学生時代に喫茶店を、
「シルバー1枚 サラシに巻いて 旅に出るのも バーテンの修行〜♪」(「月の法善寺横丁」のメロディで唄ってね。シルバーとは銀の丸盆のこと)
 とばかりに、喫茶店を渡り歩いてきた甲斐があった。シルバーの3本指持ち、立ち方、歩き方、お辞儀の仕方などを練習して本番に臨んだ。水商売に長く浸かっていた支配人は厳しいのだ。
 いやー、この訓練が功を奏し、討議会は大成功でした。主催者の市民団体の皆さんも、大喜びしてくれたっけ。よかったよかった。

 ちなみに今回の討議会は、ドイツで生まれた「プラーヌンクスツェレ」という手法を少しだけ取り入れている。これは、なかなか面白い手法で、関連本をすでに入手し熟読したが、これからの市民参加の主流になっていくのではないか、とさえ思っている。