大忙しの日曜日

 ワシャの会社でちょいとしたトラブルが発生して、日曜日だというのに出勤していた。
 午前中、仕事の合間をぬって会社近くにある消防署に顔を出す。昨日は地元の消防分団の「消防操法競練会」だったのじゃ。30分団が日頃の消火訓練の技術を競い合った。昔、ワシャの所属していた分団も参加しているので、顔を出して後輩たちを激励する。操法も見学したが、う〜む、まだまだのようじゃのう。何しろワシャはこの大会で3連続優勝を果たして、優勝旗をかっさらったくらいなのだ。
 チームの応援をして、その足でまた職場に戻って、残務処理。部下が出勤してきたのでバトンタッチをして、近くの市民会館に顔を出す。昨日は、地元で応援している花柳流の舞踏発表会で、大向こうからの声掛けを頼まれていた。
「まってました!」
「○○屋!」
「二代目!」
「たっぷり!」
「日本一!」
 午後3時、市民会館をあとにして、理容店に向う。来週、地元のテレビに映るかもしれないので、伸びた髪を整えなくっちゃぁね。いやー、床屋で爆睡してしまいましたぞ。疲れていたんでしょうな。
 理髪店を出て、部下に電話をする。成り行きによっては再度会社に出向くこともありうる。
「とりあえず対応できることについては手配をしました。それは……と……です。なお、社長からの指示で、明日一番で重役会議を開催することになりました。その準備も終了しました」
 うーむ、報告としては完璧だった。これならワシャが出勤するまでもなさそうだ。
「ご苦労さん」
 と部下の働きを労って、ワシャは家路についたのだった。あー忙しかった。

 家に帰って書庫の掃除をして、ひとっ風呂浴びて、芋焼酎を3杯飲んだら、コトリと寝てしまった。