三河は大雪です

(上から続く)
 夕べ、大雪の中、某所である人の送別会があった。ホテルの結婚式会場を借り切っての盛大なパーティーだった。タイミングが良かったんでしょうね。統一地方選挙も近いということで、某市の市長と、誰とは言いませんが知事選に意欲を見せる元国会議員が顔を出した。来賓あいさつで、市長のほうは、その人の長年の労苦をねぎらい深々と頭を下げた。片や元先生は、ほぼ選挙演説を繰り広げ、自らのスローガンを連呼して、演説が終われば、乾杯もすることなくさっさと会場を後にした。よっぽどお忙しいんでございましょうね(笑)。
 その席で、平成22年の3月に退職された知人に久しぶりに会った。どうもその人の顔色がさえない。
「どうしたんですか?」
 と声をかけると、堰をきったように語る語る。
「時間がありあまっている。会社が再雇用してくれたのだが、その仕事も施設の管理で、ただ毎日、そこに座っていれば事足りるようなことで、原則、週休3日なのだが夜勤を勤めると、週休5日にもなる。しかし、することがなく、日々が過ぎていくのをぼーっと眺めているだけだ」
 なんともったいないことを……買えるものならその時間をワシャに譲ってくだされ。
 この人、本を読むような人ではなかったし、映画の話もしない。歌舞伎にもオペラにも行かないだろうな。スポーツをしているという話も聞かなかった。元々自己研鑽を好むタイプではなかったからね。
「することがなくて引きこもりのような状態だ。5日も休むと仕事にも行きたくなくなる。何か打ち込めるようなものを見つけないと……」
 う〜む、60を過ぎてから何か始めようとしても難しいと思う。少なくとも50代に足を突っ込む前に「これという趣味」を見つけるか、あるいは「この話」なら3時間でも4時間でも付き合ってくれる仲間をつくっておくとかしないと老後を無駄にしてしまう。
 読書のできる方なら「なんでもいいから全集を読破してごらんなさいよ」とか言ってあげられるんですが……。