今こそ優秀な大卒者を救おう

 以前に評論家の呉智英さんが嘆いていたっけ。
「名古屋の大学に通っていて名古屋の屋が書けないんだ」
 分数が理解できない大学生も酷いが、「屋」という字が書けない名古屋の大学生も情けない。

 コラムニストの勝谷誠彦さん情報なのだが、17日の朝日新聞におもしろい数字が出ているので記しておく。
《従業員が1万人を超える大企業になると、若者の早期退職者はほとんどない。入社後3年たっても1%から2%にすぎない。》
《中卒者の7割、高卒者の5割、大卒者の3割が3年以内に離職する》
《若者の数は減っているのに、大学の数は増えている。1985年は185万人だったが、2010年には288万人になっている。》
 これらの数字がなにを物語っているかというと、大企業は優秀な人材を取るので離職率が少なく、学力が落ちるほど、離職率が上昇するということらしい。また、25年間の間に大学生は100万人も増えている。そりゃ就職率も悪くなるわな。25年前は高校を卒業して、社会人としてスタートを切った若者が、100万人も「名ばかり大学」に進学するのである。そこで4年間、親のすねをかじりながら放牧生活をおくる。学力的には185万人の下につけていた100万人である。けっして勉強好きの100万人ではない。モラトリアムとしての学生生活を本すら読まずに浮草のように漂って価値のない卒業証書を手に就職活動をはじめたってバカを採用してくれる会社は少ないだろう。就職率の低い理由はこんなところにもあるわけだ。
 ワシャが人事の担当者だとしても「名古屋」を「名古尸」と書く学生は絶対に取らない。1/2+1/3=2/5と答える学生も必要ない。
 大学時代に真面目に学業に取り組んだ若者こそ社会に歓迎したいものである。

「お前が言うな」という声が大向こうから聞こえてきそうなのでここいらで止めておく。
(下に続く)