F大不要論の前に

 田中真紀子文科相がやりおった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121103-00000001-khks-pol
 秋田公立美術大学札幌保健医療大学、岡崎女子大の3大学の大学新設申請を不認可とした。3大学とも「理不尽だ」と」怒りを露わにしているという。でもね、田中大臣の主張も理解できる。なにしろ4年制大学が多過ぎるのだ。
 評論家の呉智英さんが言っていた。
「名古屋の『屋』の字が書けない名古屋の大学生がいる」
 簡単な分数ができない、円周率を知らないどころか九九でも八の段、九の段になると怪しくなる大学生が実際にいると聞く。そんなのがはたして大学生と呼べるのだろうか。暇つぶしにF大(フリーに入れる大学)へ行くというのは子供たちのためにもなるまい。そういった意味から、田中大臣の投じた一石は意義があると思う。
 この3校がF大とは言わない。地元も岡崎女子(ワシャらは「オカメ」と呼んでいる)も保母の育成では地域できっちりとその役割を担っている。ワシャのころは、中学校の順位で言うと、中の中から中の下あたりの女子がオカメに入校している印象だった。顔もオカメの……いやいやそんなことはない。お顔はけっしてオカメではなくかわいい女子が行っていた。子供好きの中程度の学力の普通の短大だったと思う。
 このホームページを見てほしい。
http://www.amcac.ac.jp/aua/index.htm
 秋田公立美術大学(設置認可申請中)だが、すでに認可を受けたかのような案内がされている。
 こちらは秋田公立美術工芸短期大学のウェブサイト
http://www.amcac.ac.jp/
 ううむ、「木材工芸」とか「漆工芸」とか、従来なら大学で学ぶというより職人の徒弟制度の中に組み込まれて技術を覚えていく分野のような気がする。あるいは各種学校が担っていってもいい。あえて4年制大学にする必要性は薄いような……。
 これは、専門学校北海道保健看護大学校である。
http://www.yoshida-kango.jp/
 専門学校から、4年制大学への移行を目指していた。
 それぞれ専門分野を担う学校である。最近、ボコボコと乱立したF大とは一線を画す学校だとは思う。しかし、今までのなし崩しのF大の粗製乱造政策のスケープゴートになってしまった観はある。運が悪かった。

 でもね、ここは田中大臣ばかりを責められない。30年間一度も答申を覆すことなく身内の論理でF大を粗製乱造を続けてきた大学設置・学校法人審議会に実はこの問題の深い病根がある。審議会の大半の委員が大学関係者だという。そんな審議会に大学開設の答申が否定できるものか。まずこの審議会が不要だ。