ライブは楽し その1

 日曜日、某所で行われた若手漫才師のライブに行ってきた。
 出演は、サンドウィッチマン、三拍子、加納英孝、インスタントジョンソンU字工事、東京03の6組、それぞれが15分を受け持つ。
 トップバッターはサンドウィッチマンである。売れっ子なので、すぐに東京に戻るということで、前座で鎮め役。
 開演早々、1500人ほどの会場がまだまだ落ち着かない。子どもが走り回り、遅れてくる客が次から次に入場してくる。そんな状況で漫才を始めたのだが、会場との掛け合いで見事に会場をまとめていく。会場が治まったと見るや、持ちネタに入っていく手法は、熟練の技と言っていい。巧いな、サンドウィッチマン
 会場に子供が多いと見るや、子供受けするトイレネタで子供に大笑いをさせて、会場全体に笑いの雰囲気を醸成していく。その上で、本ネタの「ファミレスの店長と外国人アルバイト」に入っていくのだった。このあたりの流れというかつなぎがまことにスムーズで、さすがM−1王者だけのことはある。
 さて、本ネタ。伊達の店長が、富沢の外国人アルバイトに接客の言葉を教えるのだが、富沢がそれをことごとく言い間違える。このあたりは落語の御隠居と八っつあん、熊さんのやり取りを見ているようで、この二人が落語の基本をきっちりと学習していることがわかる。
 次は「三拍子」という二人組。バラエティを見ないワシャは、この漫才師の存在をしらなかった。背が高くイケメンの高倉陵と背が低く小太りの久保孝真、組合せはいい。それにしても高倉は俳優にしたいくらいの玉だ。このイケメンがボケで、久保が突っ込みである。ネタは高倉がいろいろな歌を唄い、どの歌も最後を「赤い靴」のラストの「い〜っちゃ〜た〜♪」にしてしまうというもので、しかし、なんとも歌が上手いね。それに繰り返しの技が利いて、会場は大爆笑である。そこまで受けるか、というほどの会場の盛り上がりに当人たちも戸惑っているようだ。愛知の田舎なので、こういったライブが少なく(というか無く)、田吾作たちが飢えているのかもしれない。まず東京のライブハウスではここまで受けない。
 三番手は加納英孝である。加納も会場の子供を使って会場全体の掴みを狙う。加納が質問をすると子供たちは大きく反応してくれる。ドリフターズのいかりやが使った「オイーッス!」のノリだ。
 本ネタに入っても、「これをテレビで見たら受けねーだろーな」というネタなのだが、ドカンドカンと受けまくる。ホントかいな?
 最後に加納は持ち歌を唄い、客席に飛び込んでくる。もう会場は阿鼻叫喚の大騒ぎさ。中年のオバサンたちが可能に殺到する。皆さ〜ん、加納英孝ですよ。「嵐」のコンサートとはちゃうんでっせ。
 でもね、アドリブで掴みはOK、その後の本ネタ(ロックンローラーの魚屋)、最後は歌で会場に乱入して大騒ぎ、という流れは出来ている。ドサ回りの要点を押さえてある。エンタテイメントとして完成している。
 ロックンローラーが「うおー!」と叫ぶシーンがあって加納が「これは魚と叫んでいます」と解説した時には、思わず笑ってしまった。面白いじゃないか加納英孝。
(明日以降に続く)