国際政治は甘くない

 日本が昨年の6月に北方領土を「わが国固有の領土」と明記した改正北方領土問題特措法を成立させた報復に、ロシアは9月2日を「対日戦勝記念日」を制定した。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/421107/
 この「対日戦勝」なるものが、いかに詐略に満ちたものかは、8月19日の日記
http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=427365&log=20100819
に書いた。
 ソビエトは単に国際条約を一方的に破棄して、日本領土である千島に軍を進め、大敗しただけじゃないか。満州樺太においては、日本軍がいないことをいいことにして一般市民を殺戮し、強姦しただけのことじゃないか。この犯罪のどこをとらえて「対日戦勝」などとうそぶけるのか。
 ロシアにしても中国にしても韓国にしても北朝鮮にしても、自国の権益を守るために、あるいは拡大するために必死に闘っている。この強かな極東アジアの列強に囲まれて、日本だけが腰抜け外交に終始している。
なにが「ロシア側が一定の配慮を行った。日露関係に直接影響を与えることにならないよう期待している」だ。外務副大臣が寝ぼけたことを言っているんじゃない。

 これは見過ごすことにできない暴論なので、勝谷誠彦さんの受け売りだが記しておきたい。
http://mainichi.jp/select/world/news/20100818ddm001030020000c.html
 ついに中国が「沖縄は中国のものだ。返還せよ」と言い出した。いやいや、ずいぶん前から「沖縄は中国のもの」という主張はあった。今までは、それが表出してはこなかった。まだ日本にそういったデマゴギーを押さえ込むだけの国力があったからだ。しかし、政権の中枢に「赤い官房長官」の仙谷由人がいるのである。日本の左傾化は極まったといっていい。そうなれば中国も遠慮しないわさ。そのうち、沖縄どころか本土すら「漢字を使う地域はみんな中国あるよ」とか言い出すんじゃないの。

 ひたすら土下座を続ける国と、その土下座外交につけこんで、どんどん自国の主張を強く押し付けてくる国家、どっちがいい悪いではなく、どう考えても土下座国家が将来にわたって損をしていくことだけは間違いがないだろう。
 そんなことで、本当にいいのだろうか。