鹿児島阿久根の乱

 ついに阿久根市竹原信一市長にたいするリコール運動が始まった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100819-00000282-yom-pol
 灰汁の強い市長の登場で小さな町が大混乱を起こしている。

 竹原市長の掲げる理想は正しい。それは誰も異論のないところではある。しかし、変革をするためには手段を選ばないといったやり方はまずいだろう。この日記で何度も繰り返し書いてきたが、悪法もまた法なのである。法治国家である以上、悪法いえども、それを遵守しながら闘わなければいけない。悪法だと思うならば、それを改正する努力をすればいい。
 竹原市長は市長当選前から法を逸脱している。例えば公職選挙法に抵触する「ブログの更新」を選挙活動中にずっと行ってきた。
 あるいは、やはりそのブログを使って「市議の不人気アンケート」を実施した。確かに地方議員の中には「痴呆議員」も混じっていることは確かだが、これも自治体の長がやることではない。そこいらのプータローのやることだ。
 度重なる専決処分も問題だろう。議会を敵視する気持ちは判らないではないが、だからといってルール違反をしてもいいということにはならない。
 同様なことが「職員懲戒免職事件」にもある。阿久根市の財政状況や地域経済を考えれば、確かに市職員の給与は高いのかもしれない。しかし、これも「張り紙をはがした」という一点を捉えて「懲戒免職処分」ははなはだ過剰な処分だ。
 極め付きは2009年12月自身のブログ上での障害者に対する差別的な記述と、同じ月福岡市での講演会の差別発言だろう。
「枝が腐ってきたら、切り落とさなければいけない」
 障害者を腐った枝に例えてはいかにもまずかろう。自身が軍事エリートであり、兵は甲種合格がなによりも上等であるといった考え方が、この人の根底に潜んでいるように思える。
 阿久根市が真っ二つに割れての市長リコール運動が始まった。こういった割れ方は必ず後々に禍根を残す。住民が憎みあわないことを心から祈るばかりである。