トドの威を借るブタ その2

(上から続く) 
 長野県知事選である。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100808-00000019-maip-pol
 コラムニストの勝谷誠彦さんが応援していた候補は落選してしまった。残念。でも、村井知事の後継者である候補は落選した。それは良しとすべきだろう。
 さて、当選した阿部守一氏である。この人、田中康夫知事のときに副知事だった。経歴をみるとなかなかの人物に思える。東京大学自治省、その後は山口県岩手県、神奈川県、愛媛県、長野県と渡り歩く。市町村に行っていないところが弱点だが、霞ヶ関でぼーっとふんぞり返っていた連中よりはものがよさそうだ。横浜の中田市長のときの副市長、行政刷新会議蓮舫議員らとともに事業仕分けをしていたというのも好感が持てる。
 気がかりなのは、背後に見え隠れする羽田家の影だ。森喜朗よりはいくぶんマシな羽田孜だが、いまやよれよれ、介添えなしには移動もできない。目は完全にいっちゃってるし。これで衆議院議員が務まるんかいな、というロートルになってしまった。息子の雄一郎は参議院議員だが、これがまた世襲の鏡のような世襲議員なのじゃ。父親も「成城大学」ご出身だから大して優秀ではなかったが、息子は「玉川大学」だから、このあたりの大学でいえば中京大学日本福祉大学クラスで、とっても官僚相手に丁々発止とやりあえるレベルではない。
 蛇足だが、森君と羽田君の容姿が小太りで、わがままそうな表情がよく似ておられる。世襲を重ねるとみんなこんなになっちまうのかね。
 未だに特定の一族が隠然とした影響力をもっている長野政界。当然のことながら新知事の背後にもその影がちらつく。ここは事業仕分けで発揮した力量を出して、そういった旧態依然とした利権勢力の威など借りずに長野県を立て直してほしいものだ。