統一地方選後半の概況

 2月の住民投票で解散に追い込まれた鹿児島県阿久根市議会の選挙である。前市長の竹原信一さんの独裁的なやり方に異を唱える議員が過半数10/16をとった。総得票数でも親竹原派に1000票以上の差をつけている。行政も議会も反竹原、もう住民は竹原さんの言うことに背を向けているということ。そろそろ竹原さんも旗を納めて、話し合いによる穏便な地域づくりを考えた方がいい。独裁でなくとも行政は動く。まずは政治家の最大の武器である言葉で闘うことをお薦めする。少なくとも三重県松阪市長は、双方が納得するまで徹底的に議論を重ねていくと言う。その上で行政を動かせばよほど間違いはない。竹原さん、もう、阿久根市政を引っ掻きまわすのは止めたらどうか。

 愛知6区衆院補選、「減税日本」の川村昌代さんは10万4000対3万9000という大差で世襲坊ちゃん候補に大敗北を喫した。「庶民革命、10%減税」を掲げる地元のトップ2の名古屋市長、愛知県知事が全面支援をしたにも関わらずである。
 川村さんは、仏頂面のブルとチンに挟まれて敗戦の弁を述べていたが、この大敗北はあなたのせいではありませんよ。間違いなくあなたの両側に座っている二人の地域政治家の戦略ミスである。もっと言えば、河村市長の強引な手法が名古屋以外の地域で評価されていないということを踊ることは好きでも、少々智恵の足りない二人が見抜けなかっただけのことだわさ。
 夕べも「たけしのTVタックル」で経済学者の高橋洋一さんが、河村さんの唱える10%減税を「財源もないのに無理」と一刀両断していた。
「一時的に名古屋でできるかもしれないが、恒久的には国の財源を地方に移さなければ難しい」
 まったくそのとおり。一時のあだ花にしかならないから、パフォーマンスとしか見られない。名古屋市民もそろそろ目を覚まさないとね。

 その点、河村ミャーミャーさんのように浅薄ではない政治家が介入すると住民は動く。大阪府吹田市長選には橋下知事が応援に入った。「大阪都構想」については、ワシャは疑問を持っている一人なのだが、それでも河村ミャーミャーさんの「10%減税」「庶民革命」、大村チンさんの「楽市楽座」などよりビジョンが明確で、説得力がある。ゆえに市民は動いた。
 北海道夕張市には、石原都知事が若い市長候補の支援に入り見事に全国最年少市長を誕生させた。これが政治家の実力だろう。
 凸凹は、二人がかりで川村昌代さんを衆議院議員のできなかったのである。もう一度、原点回帰して抜本的な戦略を見直さないと「減税日本」たそがれていく一方ですぞ。