150冊で人格が変わった?

 誰とは言わないが、今週の「週刊新潮」に参議院議員選挙に出馬した若手の候補者の近況が載っていた。彼はかつて衆議院議員だったこともある。しかし、おバカな発言以外は何もせずに4年間を過ごし、その後の衆院選では候補者にも選ばれなかった。
 その彼が生まれ変わって、今度の参院選に臨むようだ。う〜む、そんなに簡単に生まれ変われるものだろうか。にわかには信じられないが、彼がそう言うからそうなんだろう。
 では、かれはどうやって生まれ変わったのだろうか。「週刊新潮」に載っている彼の言を引く。
「必ず捲土重来を期すつもりで、ほとんどの人と連絡は取らず、携帯にも出ず、勉強していました。150冊くらいの本を買いましたね」
 おいおい、150冊の本を買ったくらいで、生まれ変わってどうするの?だったらワシャは三ヶ月に2回は生まれ変わっているぞよ。読まなきゃ駄目でしょ。
 もし、この人が150冊を読んでいたとしても、残念ながら150冊程度で、人格が変わったなんて、もとの人格がいかにも軽い。150冊ばかりで生まれ変わったなどというのはおこがましい。150冊ぽっちで政治家になれるなら、そんな楽なことはない。この発言を読んで、ああ、この人、まだ自分を客観的に見られないんだな、と、哀れになってしまった。