自民党本部と都連

 和歌山のオッサンはときおり妙な動きをする。昭和の政治家にはそろそろご退場を願いたい。まともな答弁ができない政治家を入閣させたのも、モナ男を派閥に加えて物議をかもしたのも、みんなこのオッサンである。支那中国や朝鮮半島ともなあなあで、どうにも食えないオヤジである。二階幹事長のことね。

 それが今度は窮地の小池都知事に憑り付かれ取り込まれて、ついリップサービスで「来年夏の東京都知事選に小池百合子知事が立候補した場合、全面的に協力する」と言ってしまった。

 ところが、それに対して自民党東京都連が猛反発した。そりゃそうでしょ。小池知事が知事選以降にやってきたことは、東京都議会自民党を徹底的に悪役にして、今の地位を築いたんだからね。都の自民党にしてみれば不倶戴天の敵といっていい小池知事。そんなのに憑り込まれて、政界のドンのような顔をして偉そうに言われてもねぇ。で、っこういうことになった。

《自民・二階幹事長「もう発言しない」小池都知事の再選支持で》

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190306-00000517-san-pol

 当然といえば当然の帰着で、和歌山のオッサンがなんにも考えていなかったということが露呈しただけで、もうそろそろ政治家としての賞味期限も過ぎているのではないか。

 

 先月、某県某市で市長選があった。「あそこのことかな?」と思った人もいるだろうけど、そのあたりは詮索せずに読んでくだされ。

 長期に市長をやっているA氏が出馬表明をした。「後継者がいないのでやむを得ず立候補した」と語っていた。その後、衆議院議員のB氏がその職を辞して立候補表明をした。衆議院議員が出るなら、これほど頼もしい後継者はあるまい……と思うのだが、地方の小さな自治体とはいえ、政治というのは魑魅魍魎の跋扈する世界なんですね(笑)。

 後継者がいないから立候補したA氏は、衆議院議員では後継者として納得をせず、全面対決となった。ご苦労さんなこって。

 まあいいや、そんな選挙戦のことはどうでもいい。問題なのは、タイトルのことである。「自民党本部」と「都連」、某市の場合は「自民党本部」と「県連」ということになろうか。

 B候補、直前まで衆議院議員だったので、その選挙事務所は国会議員の「為書」で埋め尽くされた。どうだろう200枚は下るまい。麻生副総理、河野外務大臣を始め閣僚たちを先頭に、それこそ北は北海道、南は九州まで、衆参の議員の名前がずらっと並んだ。自民党本部の力の入れ方が凄まじい勢いに見えた。

 かたや現職のA候補、自民党本部の支援はまったくなかった。むしろ自民党というよりも労組系の支援を取り付けて、応援演説にも国民民主の地元代議士がたびたび入っていた。だから自民党の国会議員の「為書」はほとんどなく、それだけを見ればB候補の圧勝だった。

 しかし、結果はA候補が余裕綽々で勝ってしまった。その理由は、県連が動いたからに他ならない。県連は「推薦を出してくれ」と言うB候補に対して、ついに推薦を出さなかった。それは支部からの推薦が上がってこないという理由である。支部の自民はA候補陣営、B候補陣営と真っ二つに割れており、そのためにどちらかに推薦を与えるというのを躊躇った……という建前をとった。そこには県知事とか県議会とかが複雑に絡むのだけれど、そんなことは今日の主題とは関係ないので触れない。

 要は、自民党本部が200枚の「為書」をおくって支援をしている候補に、県連が推薦すらしなかったということで、自民党本部と各県連の力関係を垣間見た。

 

 政治の世界では、地方分権はとう昔に出来上がっていたんだね(笑)。