「角界騒然」ってなにを今更

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100616-00000516-san-spo
 朝日新聞でも1面、2面、社会面ででかでかと扱っているが、今更、なにを騒いでいるのだろう。
 1996年(平成8)に元関脇の高鉄山が『八百長相撲協会一刀両断〜』(鹿砦社)を出版している。その中に「暴力団は力士たちのいいタニマチ」というそのものずばりの章があるんですね。
北の富士陣幕親方)の場合も、現役を引退(昭和49年名古屋場所)し、年寄になった後、信じられないことだが、名古屋の暴力団の幹部と兄弟分の盃を交わしている。》
《本当は暴力団だとわかっていても、本人が目立つような振る舞いさえしなければそれでいい。その筋の方々は、一般のタニマチより肉や野菜の差し入れも多く、祝儀も3倍4倍もくれるのだから、大切にするのは当然だ。》
花札を使った『バッタまき』といわれるバクチは、昔は巡業先や移動の列車の中で覚えたものだ。北の富士琴櫻佐渡ケ嶽親方)はこのバクチが大好きで、その場で何十万円という現金が飛び交っていた。》
 ね、琴光喜のバクチ好きは、先代の佐渡ケ嶽親方から受け継いだものだから裏金入りだ。間違えた。筋金入りだ。
 バクチで勝たせることにより現役力士を集め、つながりを持つことで、バクチ好きの力士を「相撲バクチ」のイカサマ賽に仕立てているのでは……と危惧する声も聞こえてくるが、そこまでの深い闇が広がっているようには思えない。
 高鉄山の文章をもう一つ引く。
野球賭博のように勝敗が暴力団シノギを左右するようなことがあればともかく、相撲は八百長が当たり前の世界と暴力団も知りぬいているため、あまりバクチの対象にはなっていない。》
 ちばてつやのマンガ『のたり松太郎』にも、賭けを楽しむ力士たちの風景が当たり前のように描かれている。

 ギャーギャー喚いている評論家やマスコミの連中が、角界のこの体質を知らなかったとは言わせない。知っているくせに知らないふりをしていただけじゃないか。
 琴光喜のやったことはよくない。でもね、公がバクチ場を提供したり、偽装バクチから官憲が寺銭を集めたり、天下ったりすることはまかり通っていくんだよね。