いい博打と悪い博打 その1

 いやー、思わず鳥肌が立ってしまいましたぞ。
http://southafrica2010.yahoo.co.jp/news/ndetail/20100615-00000001-maip-socc
 前半39分、右サイドから上がったクロスを本田圭祐が左足で決めた。お見事。

 サッカーはまことに清々しい。それに比べて大相撲のどん臭いことといったらありゃしない。愛知県岡崎市出身の大関琴光喜野球賭博との関与を認めたんだとさ。あ〜情けない。元々、相撲界というのは実にルーズな世界だった。どんな状況だったかは、ちばてつやの『のたり松太郎』を読んでいただけばおおかたのことは理解できる。酒、女、暴力、いじめ、集団リンチ、ヤクザとの関わりなど、マンガに描かれたまんまと言っても過言ではあるまい。でもね、マンガの時代は昭和50年前後なのである。今から30数年も前なのだ。その頃から角界というのはまったく進歩していない。旧態をずっとひきずったままの恐るべき閉鎖社会なのである。一度、膿をおもいきり出したほうがいい。

 それはそれとして、賭博のことである。野球賭博はヤクザのしのぎになっているから犯罪なのは理解できる。賭博というのは理性のないバカがはまると猿のせんずりになってしまうので極めて危険なものなのだ。だから、刑法185条で「偶然の勝負に関して財物を賭けばくちをした者は50万円以下の罰金または科料に処する」としているのである。刑法では賭博、とくに常習賭博を、社会の生産性を著しく阻害する恐れがあるとして禁じている。
 古いところを言えば、日本書紀には「唐から渡来した双六で博打をするものが増加したのでこれを禁止した」ということが書かれている。天武14年(685)のことである。そんな大昔から、賭博は人民を蝕むものとして禁止されてきた。以降、どの政権も賭博を民の生産性を落とすもの、国力を削ぐ害毒だったのだ。
(下に続く)