上海万博

 5月1日から上海国際博覧会が始まる。あと20日しかない。先日、上海に行った知人から情報を仕入れたのだが、この時期、昼夜を分かたず街中で突貫工事をやっているそうだ。とにかくハリボテでもいいので、上辺だけ取り繕って、海外からやってくる客にはボロ市街を見せないということらしい。中国らしいや。
 万博会場は、上海市の中心部(人民広場、南京路界隈)から南に下った揚子江支流の黄浦江(こうほこう)の両岸328haにパビリオンが立ち並ぶ。
http://jp.expo2010.cn/a/20100325/000010.htm
 大阪万博が330haなので、ほぼ同規模といったところか。大阪は千里丘陵だったが、上海は中心部から3キロほどの場所が会場となっている。東京で考えると、皇居と両国くらいの距離となる。上海は1300万人の人口を有している。黄浦江の両岸にも、多くの住民が住んでいたはずだから、この祭典のためにどれほどの人が泣かされたことだろう。
 でも、ここが共産主義の強みだよね。独裁政府が「どけ」と言えば、住民はどかざるをえない。なのに、準備の方はなかなか進んでいないようだ。中国らしいや。
 知人は、中国の人とも接触をもち、上海万博の実情を聞いた。中国の人はこう言った。
「上海万博開催中は上海に来ないほうがいい。中国全土から人が押し寄せるから、大変な混雑になる。残念ながら中国人は集団になると危険だからね(笑)」
「それに万博に従事する従業員の質を確保するのが大変だ。外国からの来場者には愛想よく、マナーの悪い中国人には厳しく対処する、そんな器用な中国人を沢山集めるのは大仕事だろう。まさか人民解放軍の女性兵士に銃を持たせて警備させるわけにもいかないしね」
 いや、そうなるんじゃないかな。どちらにしても、中国という巨大な国家は、内部に多くの矛盾を抱えこんでいる。とても平和な国家とは言えないし、自由な国家でもない。そんな国が平和の祭典を開催するのは無理がある。

 今朝の朝日新聞が、中国の麻薬の問題について大きく取り上げている。確認されただけで133万人の麻薬使用者がいるという。おおお、アヘン戦争前夜のような有様ではないか。
 こういった状況に巻き込まれて邦人が4人死刑になった。捕まえてウムも言わさずに銃殺である。あな恐ろし。
 ワシャは万博フリークだが、上海万博に行くのは止めておこう。