民主主義の胎動

 中国共産党の元幹部らが、ネット上で言論の自由を要求した。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201010/2010101300013&rel=j&g=int
 このニュースにもあるように、中華人民共和国憲法第35条では「中華人民共和国の人民は、言論、出版、集会、結社、進行および示威の自由を有する。」となっている。しかし、現実には、言論・出版は厳しく規制され、政府(中国共産党)に都合の悪い情報は一切流すことが許されない。集会・結社・進行・示威にいたっては、天安門事件以来、許可制になっており、もちろん、政府(中国共産党)を批判するデモなどはご法度だ。というより、その内容で許可申請を出した段階で、公安に引っ張られてそのまま監獄行きとなる。
 ただし例外もあって日本に対する抗議デモは、許可があろうとなかろうと見て見ぬふりをしてくれる。日本大使館に投石をしてガラスが割れようがお構いなし、小日本を辱める行為はどんな違法行為でもセーフとなる。面白い国ですな。

 話が脇に逸れた。前述のニュースのことである。
 毛沢東の秘書だった李鋭氏や人民日報の元社長胡績偉氏ら改革派の知識人23人が声を上げた。この事実は大きい。勝谷誠彦さん情報によれば、彼らは90歳代のご高齢らしい。しかし、れっきとした共産党員ではあろう。党内部からの批判は厳しい。

 朝日新聞には「ネットに広がる劉氏称賛の言論」という見出しが躍った。「asahi.com」にもありました。
http://www.asahi.com/international/update/1014/TKY201010140003.html
 要するに、ネットに溢れる劉暁波さんへの賞賛や、彼を投獄している政府への批判を、政府機関が必死に黒塗りしているわけだが、それが追い付かないんだとさ。頑張れ!中国の自由の戦士たち。
 勝谷さんは「天安門事件当時との最大の違いは、自由の闘士たちがネットという武器を手にしていることだ」と言っている。この武器が、「ネット蜂起」が天安門以来、閉塞している中国に風穴を穿つことを心より祈りたい。

 上海万博のノルエェー館に花束を届けた中国人女性がいたそうな。
http://www.asahi.com/international/update/1014/TKY201010130543.html
劉暁波氏にノーベル平和賞を贈ったノルウェーを敬愛する」と書いたカードを花束に添えたところ、即、公安に引っ張られた。ううむ、さすが密告奨励国家の面目躍如、こういったアナログな取り締まりはまだまだ健在だ。

※この下に劉さんたちが起草した「08憲章」を全文載せてあります。是非、読んでみてください。
(下に続く)