午前3時、喉の乾きで目が覚めた。キッチンにおりてミルク多めのカフェオレをつくって飲む。せっかく起きたので、書庫にもぐりこんで昨日買った本をぱらぱらと繰ってみる。
昨日、隣町のブックオフに行った。偶然にも隣町に住むパセリくんと出くわした。
「ぼくの町のブックオフを荒らさないでね」
と言われてしまった。
それはさておき、その店で皇室関連書籍の掘り出し物を見つけた。実は、半月ほど前からレジカウンター横の値段の高い本の棚に並んでいるのは知っていた。
川田敬一『近代日本の国家形成と皇室財産』(原書房)
川出清彦『大嘗祭と宮中のまつり』(名著出版)
遠山茂樹『天皇と華族』(岩波書店)
でも、値札が「4000円」「3000円」「2500円」となっていたので躊躇していた。そこまで読みたいという本でもなかったからね。
それが昨日、一律「950円」になっていた。即、買いだった。
う〜む、『天皇と華族』はなかなか面白い資料だ。明治13年に長野県の下伊那郡から政府に出された御巡幸請願書なんかが載っている。
《婦女子ニ至リテハ常ニ山間ニ労働シテ生涯王城ノ地ヲ踏マズモノ比々(しばしば)是ナリ》
「婦女子にいたっては終生伊那谷で労働をして王城の地を踏むこともできないものが多い」だから、帝の御巡幸を賜りたい、と請願している。残念ながら伊那谷の民衆の願いは聞きいられることはなかった。
一昨日、伊那谷に出張していた。あいにくの吹雪で樵の仕事は捗らなかったが、山間部の自然の苛酷さは実感できた。そういう現実を体験したばかりだったので、偶然、手に取った本から間から、明治の伊那谷に住む民の声が聞こえてきたので、ちょこっと驚きましたぞ。
他にも数冊の小説や実用書を買ったので、そっちにも目を通す。午前4時過ぎに、宮本輝『花の降る午後』(講談社文庫)を手に取ったのがいけなかった。これが面白く、夢中になってしまった。
暗い書庫の中で、パソコンの脇にあるスタンドの灯りをたよりに本を読んでいたのだが、ふと気がつけば2時間が過ぎていた。
ワシャの書庫は家の北側にある。このため夜の間は防寒のため雨戸が引いてある。だから外からの光はいっさい入ってこない。スタンドの周辺以外は黒々とした闇が支配する書庫から這い出てみれば、すでに夜が明けていた。
闇を払拭するべく、ワシャは雨戸を開けて回った。おおお、家じゅうに光があふれていく。
その後、軽く食事をして、午前中は書庫の掃除をしよう。午後は名古屋で荘子塾がある。今日も一日、頑張っていきまっしょい。