昨日の続き。
ワシャの家での現場検証は続いている。8畳の和室からリビングにかけて、土足の足跡がついているのだが、ちょっと見にははっきりした足跡は数個ある程度だ。それをおまわりさんは、ライトを床に置いて照らすことで、薄い足跡も浮かび上がらせるのだった。ううむ、プロフェッショナル!
昨日の日記の「リビングとその南側の8畳間が土足の足跡でびっしりなのであ〜る」という記述は、この時の後付けの記憶によるものだった。
どうだろうB5サイズくらいの透明なシートを取り出して、靴跡を採取し始める。その時に「これはクロックスだなぁ」とつぶやいた。おおお、見ただけで判るとは、プロフェッショナル!
外で2人、中で4人の警官が動き回っていたが、太っている人がいなかった。かつてテレビなどで警察官の現場検証をみると、腹の出た太ったおまわりさんを多く見たものだが、ワシャの家の現場検証に来ている人たちは、みんな精悍な印象だった。おまわりさんはやっぱりこれでなくっちゃぁね。
鑑識の見立てでは、というか鑑識の人が別のおまわりさんに話しているのを、ワシャが聞き耳を立てていたのだが、「泥棒は、家の周囲の建具を確認して回り、和室南側の施錠がされていないのを見つけた。そこで木製の目隠しをこじ開けて室内に侵入し、和室、リビングを物色しバッグ二つを発見した」
「泥棒は和室を物色中に、玄関の反対側に扉の開いた書庫を発見した。懐中電灯で書庫を確認するが、暗黒がどこまでも続く底なし沼をのぞくような不気味な雰囲気に、二の足を踏んでしまった」
後段は、ワシャの想像だが、実際に泥棒は、ワシャの書庫にはいっさい足を踏み入れていない。我が家的には、よほどワシャの書庫の方が貴重な本がある。古本屋に持ち込めば20万円や30万円にはすぐになる。ただし、引越センターのトラックがいるけれど。
というようなわけで、ワシャの鞄は本のジャングルの奥に置かれていたので無事だった。
最終的に、被害はバッグ2つと、その中にあった4万円ほどの現金、キャッシュカード、ケータイ、免許証などである。金は仕方がないけれど(仕方なくないけど・怒)、その他は、再発行などに面倒くさいものばかり。弱ったなぁ……と思っていたら、100mほど離れたところにあるゴミ屋敷のゴミの山でバッグが発見された。
泥棒は、ワシャの家を出てからここまで逃走し、ここでバッグから現金だけを抜き取って、どこかへトン面したものと考えられる。現金以外は手つかずで戻ってきた。不幸中の幸いだった(幸いじゃない・怒)。
ここで、コナン・ワルシャワが登場する。
「犯人は、痩せた男、土地勘のある若い外国人で犯罪常習者である可能性が高いですね」
ワシャが、5時30分ころ、階下に下りてきた。その時に、わずかではあるがいつもと違う臭いを感じたのである。これは日本人の臭いではないと直感した。それに、今、ワシャの地域では外国人の犯罪が急増しているのも推理の論拠だ。
犯罪常習者である理由は、クノックスを履いているということ。クノックスだから素人のガキと思うのは早計である。クノックスは足音がしない。こういった履物を使うところは犯罪に馴れていると思われる。それに足が着きやすいものをさっさと捨てているところも手馴れた印象を持つ。
痩せた男というのは、まず、こじ開けられた木製の目隠しの隙間が細かったことと、ワシャの家のフローリングは鴬張りになっている(立てつけが悪いので軋むんですな)にも関わらず、達人のワシャが気がつかなかった。体重のない痩せた男だろうという推理はここからきている。
冗談ばかりを言っていてはいけない。少なくとも自宅に侵入を許してしまったということは大変なことなのである。2000年の暮におこった世田谷一家殺人事件を思い起こせば、就寝中、階下に犯罪者が押し入っていることがどれほど危険なことか。
あるいは近場では、2004年に豊明母子4人殺人放火事件が発生している。「犯罪者はすぐそばにいる」このことを肝に銘じていたはずなのに、甘かった。反省!