本との出会いはホントに素晴らしい その1

 平成12年初冬のことである。ワシャは中心市街地にあるいつもの本屋に立ち寄って1冊の本を買った。日垣隆偽善系』(文藝春秋)である。その日の日記に《「偽善系」という書籍を購入する。面白かった。》と書いてあった。
この本との出会いがなければ、その後のワシャの人生はずいぶんつまらないものになっていたことだけは断言できる。

 なんでそんなことを思ったかというと、和田秀樹さんのオフィシャルブログ
http://ameblo.jp/wadahideki/
で、メディアリテラシーのことに触れた文章に出くわしたからだ。
《自分が信じたものを直すことはメディアリテラシーのない人のほうができないようで(中略)右の人は右の本しか読まず、あるいは右の本に書いてあることしか信じず、逆に左の人にも同じことが起こるように、幅広い知識がもてずに悪循環になるということなのだろう。》
 環境分野でもメディアリテラシーは重要だ。未だに北極海の氷が溶けると南太平洋のツバルが沈むと信じている人が多いが、マスコミが流す一方通行の情報だけだとそうなってしまうんだろうね。
 京都に本部を持つかなり著名な環境NPOの代表の講演を聴いたことがある。その代表、環境の世界ではカリスマ的存在なのだが、残念ながらメディアリテラシーがない。だから、シロクマくんは北極海で溺れていると思っているし、CO2の上昇が日本にとって害になると信じてやまない。そしてこう断言した。
「私は地球温暖化に異を唱える学者の本などいっさい読まない!」
 この代表、まさに和田さんのいう「右の人は右の本しか読まず」という人なのである。頭のいい人だったのでとても惜しいと思う。
(下に続く)