加地先生の指摘 その2

 一昨日に買った月刊「Hanada」を読む。やっぱり加地伸行先生の「巻頭言」はおもしろい。

昨日の日記に朝日新聞紙に載った津田大介の作文の話をした。内容がないということを字数などから検討したものである。要するに「論壇時評」と自称する作文は、人の褌を11本ほど借りてきて姑息な相撲を取るというもの。ワシャも暇がなければ、日記のネタにしなければ、絶対に読まないんだけどね。

 さてお立合い!11人の引用の先頭を飾るのが、白井聡「安倍政権の7年余りとは、日本史上の汚点である」(論座8月30日)である。津田氏の作文を引く。

《8年近くに及ぶ安倍政権が終わった。白井聡は、この政権を「日本史上の汚点」「腐敗は底なし」と苛烈な言葉で批判する。》

 この白井のこの部分を根拠にして《「モリ・カケ・サクラ」疑惑に端を発する公文書改竄や情報隠蔽など、政治から「公正」さが失われた8年弱だったと評価する人も多いだろう。》と憶測する。昨日も言ったけど、この人、結局のところ断定せず「だろう」で逃げる。だって、評価する人は多くないし、津田はそもそも多いという根拠を持っていないのにも関わらず「公正さが失われたと評価する人が多い」と言いたいのだから。

 ワシャが「評価する人は多くない」と断定したのには根拠がある。ジャーナリスト、メディア・ アクティビストという何者なのか分からない肩書をつけているニーチャントは違ってね。

 安倍政権に70%を超す高い評価が出ている。これがなによりもの根拠である。津田を初めとするドリーマーどもは空想でモノを言うからおそろしい。朝日新聞紙に作文が載っているからと言って信用したら偉いことになりまっせ。事実、愛知県知事は大変なことになってしまった(笑)。

 ううむ、また話が脇に逸れてしまった。加地先生の「Hanada」の巻頭言「一定不易」である。ここに、津田が筆頭に持ってきた白井聡の話が出てくる。白井が『週刊東洋経済』に寄稿した作文を読まれた感想である。

《驚いた。スカタンな内容。》

 東洋学の権威にこう言わしめるとは・・・ある意味で白井聡はすごいぞ。加地先生は畳み掛ける。

《驚くべき単純な頭の構造であるわな。本、それも『資本論』を聖書として、本の中の世界だけを真実とする――学校でお勉強だけして、自分の頭で考えることはしない、いやできない小僧というのが、第一印象であった。》

 と、スコンポコンである。この文章のあとも、12行に渡って先生にボコボコにされているのだが、まぁそれは武士の情けで書かないでおこう。

 つまり、日本の知性、理性と言っていい加地先生が驚くほどの「阿呆」を、津田は必死に持ち上げて、おのれの屁理屈を補強しているのである。もし加地先生が「論壇時評」を俎上に上げたとすると・・・。

「驚くべきスッカラカンの頭の構造であるわな。人の意見をたよりにして、自分の世界だけを真実とする――学校でもお勉強をしなかったから、もちろん自分の頭で考えることはしない、いや考えるということを知らない小僧というのが第一印象であった」

 と、言われるかどうか(笑)。

 だから、加地先生からその程度の評価を受けない男を支えにして己の主張をする程度の男に騙されて、ワシャらの県民税が反日プロパガンダに使われたことが悲しい。

 心ある、そしてメディアリテラシーの高い県民であれば、この悔しさが解るのだが、白井や津田にコロッと騙されるバカがいるから、困ったものだとしか言いようがない。

 

 たまたま批判した津田の「論壇時評」ののっけに出てきた白井某が、尊敬する加地先生に批判されていたので、もう一日早ければ、津田氏、白井氏を絡めて書いたのだけれど・・・と悔やみつつも、でも尊敬する先生の同じ方向を見ていることが少しうれしかったのじゃ。