ドキュメント政権交代

 武田一顯『ドキュメント政権交代―――自民党崩壊への400日』(河出書房新社)が届いたので早速読んだ。コラムニストの勝谷誠彦さんが薦めるだけあって、なかなか面白かった。
 武田さんは言う。「この夏の政権交代で、日本人はようやく本当の民主主義に気づいた」と……
 日本の議院内閣制はイギリスを模範としてつくられた制度である。しかし、1947年以降、本格的な政権交代が一度も行われなかった。今年の8月30日まで一党独裁が60年にわたって続いてきた。このことについて勝谷さんは、《半世紀にわたって一党独裁が続き、その政権は汚職にまみれ、カルト教団とまで手を組んで政権維持を続けてきた日本国というのは、正直言って、北朝鮮支那ミャンマーとあまりかわらなかったのだ。》と手厳しい。
 この国は、ずっと一党独裁政権の背後に隠れる「利権談合共産主義者」、一般的には「官僚」と呼ばれる連中に牛耳られてきた。そいつらは顔を持たず、闇の中から権力を行使し、国民を絞り上げてきた。そいつらがようやくその正体を見せはじめている。
 賛否がいろいろと取り沙汰されているが、「事業仕分け作業」も効果的だ。今まで、見えなかったものが白日の元に晒される。蓮舫議員に「私の話も聴いて!」と声を荒げたおばあさんがいたでしょ。国立女性教育館理事長の神田道子さん御歳74歳である。民間出身の立派な方だと思うが、後期高齢者直前のおばあさん、そろそろ後進に道を譲ってはいかがか。こんな人物が、それぞれの機関、会館に全部ぶら下がっているのだ。名誉職ならボランティアでいいと思うが、きっちりと給与をせしめている。74歳なら年金で暮らせよ。
 そうそう本の話だった。
『ドキュメント政権交代』を読んで、今更ながらに、麻生太郎という人物の下らなさ、その男を担いだ自民党のダメさを思い知らされた。日本国民は本当に無駄な1年を費やさせられた。ここでワシャが麻生前首相の悪口を並べ立てても時間の無駄なので、冷徹に分析をした武田さんの著書を読んでいただきたい。読めば読むほど、麻生前首相が町内会長程度の力量しか持ち合わせぬ愚物だったということが理解できる。「愚物を戴いて国亡ぶ」日本が滅亡する前に政権交代ができて本当によかった。