愚者の行動にはつねに無駄がつきまとう その1

 コラムニストの勝谷誠彦さんのメルマガで、《全国の学校で子どもたちに奇妙な文書が配られている》ことを知った。
 早速、あちこちに手を回して、その文書を入手した。そしたら、ここに載っていた。
http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1304685.htm
 大騒ぎをして損こいた〜。まぁそんなことはどうでもいい。問題はこの文書である。勝谷さんは、「菅直人が子どもたちの手を使って全国にばらまいている選挙ビラ」だと指摘している。
 確かに、統一地方選の後半戦が4月末に実施されることを考えると民主党政権の点数稼ぎと思われても仕方がない。本当に、菅直人という人物は間の悪いことをする。要するにマヌケということだわさ。
 そして、勝谷さんはこう斬り捨てている。
《子どもたちには子どもたちの日々があり、未来がある。起きたことを咀嚼していくのも子どもたちの人生だ。それを総理大臣の名前でオノレの価値観を押しつけてくるというのは、いかにも菅さんらしい独裁国家的な発想である。》
 まったくそのとおりである。

 ワシャはこの小学生向けに書かれた文書を読んだ。しかし、これほど下手な文章もないねぇ。官僚が菅首相に言われて書いたのだろうが、普段、行政文書しか書いたことがないから、なんだか文章がハチャメチャで、こんな下手な文章を読まされた子供が読書嫌いになるのではないかと心配になってくる。
 苦痛だったが、菅文書を読んで、ピーンときましたね。ハハァ〜ン、あざとい菅首相が狙ったのは、司馬遼太郎の『二十一世紀に生きる君たちへ』だな。
『新学期を迎えるみなさんへ』
『二十一世紀に生きる君たちへ』
 どうです。似てませんか(笑)。
 慈愛に満ちた司馬さんの笑顔が見えるような、子供たちに静かに語りかけるような、天下の名文にあやかろうとしたところが見え見えでしょ。
 ただねぇ、同じ文章だとしても発信者が、司馬遼太郎菅直人かで、まず雲泥の差がついてしまうということを自覚しなければいけない。まぁ、日本を代表する「知の巨人」としょぼくれた「サヨクくずれ」では比較することすらおこがましのだけれど。
(下に続く)