哀れな衆愚

http://www.kahoku.co.jp/news/2009/07/2009071401000489.htm
 昨年の2月に、養鶏業者が野党議員を呼んで集会を開催しようとした際に、農林水産省の担当課長が、業界団体幹部を呼びつけてこういったんだとさ。
「そんな集会を開くんじゃない。与党議員が怒っているぞ。中止しなければ予算を切る」
 これを一般社会では「脅迫」と言う。
今月の14日、脅迫をした渡辺毅食肉鶏卵課長が記者会見でこう弁明した。
「与党の(族議員の)先生方がご不快で、このままでは卵価交渉などで農家の要望が通らなくなるという懸念があった。当時としては(この脅迫は)適切で、圧力とは思わない」と説明した。
 アホか。こいつはどこを向いて仕事をしているんだ。

 国土交通省もやりたい放題である。今年の3月に国交省お得意のB/C(費用便益比)に基づいて「巨額の税金を投入しても得られる便益が小さい」ということで、国道18路線の工事を凍結したんじゃなかったっけ。わずか4ヵ月で氷は溶けてしまった。国交省の集めた「言いなり会議」が、9路線については、「4ヵ月間、国交省がよく検討した。努力賞ということで工事着工してもいいよ。じゃぶじゃぶ予算をつかいなさい」と認めてしまった。8路線に付いては「すでに造り出している。いままでの施行分がもったいないじゃん。残りを造るのに巨費がかかるけどやり逃げやり逃げ」とあっさり復活してしまった。
 なんなんだ、この朝令暮改は……
 これを踏まえて麻生首相は24日に建設、不動産業かいの幹部、いわゆる土建屋の親分たちと会談した。上記の持参金付きである。土建屋たちが喜ばぬはずがない。
「首相も必死だと感じた。今の政策を継続してやっていただけるという感触なので」と前置きして「応援する」としている。
 え?これって、公共事業を実弾とした体のいい買収工作ではないの。
「与党の応援をすれば儲かりまっせ。野党と近づこうとすれば補助金カットでっせ」
 あからさまにそういうことなんだね。

 自民党細田幹事長が昨日党本部でインタビューに応じて「国民の程度が低い」と言ったんだとさ。後で取り消したようだが、一旦、口から出た言葉は元には戻らないよ。
 いたちの最後っ屁ではないが、ここにきて国の動きが悪活発になってきた。与党にすりよる業界には国民の税金から莫大な利益が配分され、逆らう教会には補助金カットをちらつかせて脅す。与党政治家と官僚にいいようにやられ、その上にバカ呼ばわりされたんじゃ「国民」の立つ瀬がないわなぁ。