いかがわしい街と女性の胸

 昨日は名古屋で楽しい時間を持った。伏見界隈でショパンドラクロアなどの勉強をして教養を高めた。
 その後、名古屋駅西に移動した。
 その昔、名古屋駅西椿町界隈というのはいかがわしい場所だった。今は駅西地区整備が進んで、名古屋の西玄関らしくなってきたが、それでも東に比べると猥雑な感が否めない。酔っ払いの浮浪者が路地で寝ていたり、点在する風俗店の前には薹の立った黒服が客引きをしていたりする。
 そんな街の一角に「椿カフェ」といういかにもいかがわしい店があるんですな。昭和の臭いがプンプンするシャッター通に間口1間ばかりの入り口がある。一見ではなかなか入りづらいシチュエーションだ。
 でもね、中に入れば地元のおばさんがカウンターでお茶をしているような気さくな感じで、けっこう隠れ家的な穴場ではないでしょうか。

 ドラクロアの名作に「民衆を率いる自由の女神」というのがある。世界史の教科書のフランス革命あたりに必ず掲載されている絵画だ。あの絵で昔から気になっていたのが、三色旗を掲げて先頭をゆく女神の片乳がこぼれていることだった。
「なんで乳をきちんとしまってから先頭に立って走らなかったんだろう?」
 とずっと思っていた。
 もちろんこれには理由があった。乳房は母性を、母性は祖国をあらわしているというのだ。だから、女神はどうしても乳を出して先頭を走らなければならなかったということらしい。ただのだらしないおねーちゃんではなかったのね。
 女神の豊かな胸に乾杯!