(上から続く)
午前10時20分、800字ほどの文案を仕上げた。終わってみれば資料調べに使った書籍類が累々と机に広がっている。『寛政重修諸家譜』が2冊、『徳川実紀』は4冊、その他に『享保の改革』(世界文化社)、『日本の歴史17』(中公文庫)、『岩波講座 日本歴史11』、『江戸三〇〇藩 バカ殿と名君』(光文社新書)、『日本史年表』(東京堂出版)、それに辞書類が『広辞苑』、『類語国語辞典』(角川書店)、「篤い」の用例を調べるために『漢字用法辞典』(角川書店)も引っ張り出した。
それを元の棚に収めて、遅い朝食を軽く済ませれば、もう11時を回っている。今朝、早く起きすぎたので、少し仮眠をとろうと、書庫にある座椅子の背を倒して横になった。
およよ、床に寝転んで9段2.85mの書庫を見上げるとちょこっと恐いですぞ。それでも睡魔には勝てまへん。とろとろと30分ほどまどろんだ。しかし、友だちからの携帯に起こされてしまった。どうでもいい話だったので、さっさと切り上げて、再びゴロリと横になった。しかし、今度は睡魔が来ない。来なきゃ来ないでいいもんね。本を読むだけさと、『松岡正剛 千夜千冊』(求龍堂)を開いた。ただし、この本、A5版で厚さが8.5cmもある。重さは2.2kgだ。こんなのを読んでいたらうとうともできない。眠気がさしてうっかり本を落としたら致命傷になりかねない。だから、途中から、中村稔『司馬遼太郎を読む』(青土社)に替えた。そうしたら案の定、睡魔が戻ってきた。蕩めいて本を落としたが脇の床だったのでそのまま気にせずに、心地よい風を額に受けながら午睡を続けるのだった。いい季節だ。