脳トレにいいそうですぞ

 俳人の夏井いつきさんが忙しい。「プレバト」で梅沢富美男さんや東国原英夫さんを叱りつけなければいけないし、「NHK俳句」では素人の指導もしなけれならない。何冊かの俳句の指導書も手掛けており、ご自身は還暦を直前にして、もっとゆったりと俳句三昧に浸ろうと思っていたのが、逆になってしまったそうだ。
 書庫のワシャの座っている背後が棚になっていて、そこには各種の辞書系の本がざっと600冊ほどある。変わったところでは
『日本俗語大辞典』(東京堂出版
『私家版 差別用語辞典』(新潮選書)
『日本現代小説大事典』(明治書院
『日本島図鑑』(新星出版社)
『猛毒植物マニュアル』(同文書院
『カルト・陰謀・秘密結社大事典』(河出書房新社
 なかには『サラブレッド101頭の死に方』(アスペクト)なんていう事典もあるんですよ。
 その中になんと、7年前に買った夏井さんの辞典があったのじゃ。『絶滅寸前季語辞典』(ちくま文庫)である。夏井さんということを、というか買ったころは、夏井さんがそれほど有名ではなかったので、純粋に「季語に関する辞典」として買った。内容は消えかかっている季語に対する思いの詰まったいい本だったが、一読してそのまま棚に納まった。付箋が1カ所打ってあった。晩春の季語「田鼠化して鴽となる」(でんそかしてうずらとなる)の項である。なんちゅう長い季語だ。これだけで12字、全部で17文字しか使えない俳句においては、極めて不自由な季語であろう。夏井さんはこう吟じている。
「田鼠化して鴽となれない尻尾」
 ううむ……よく解らない。梅沢さんに解説してもらいたい。