虎ノ門のドブ

 公益法人の「日本漢字能力検定協会」の前理事長親子が逮捕されて大騒ぎになっている。監督官庁文部科学省はまったく監督などしていなかったことが露呈した。大久保容疑者のやりたい放題のネコババを何のチェックもなしにスルーしていた。その言い訳がふるっている。
文部科学省公益法人性善説に基づいて指導監督しているので騙された」
 アホか!
 もう忘れちゃったかも知れないけれど、昨年の9月に、発がん性のあるカビ毒や残留農薬に汚染された工業用の「事故米」を食用と偽り転売していた三笠フーズっていうクソ会社があったでしょ。あの時も毎年毎年農林水産省三笠フーズに立入検査を行っているんだけれども、不正を見つけることができなかった。ここにも「性善説」という愚見にとらわれたバカな役人がいた。「信用してますよ」というスタンスに立てば手が抜けるから、実は霞が関全体がそうなっているといっても過言ではない。
 公益法人の金で毎晩豪遊していた大久保も大久保だが、それを見逃していた役人にも責任の一端がある。あるいは一緒に祇園あたりで飲んでいたりして(疑)。
 猪瀬直樹氏は言う。(このところ度々猪瀬さんを登場させるが他意はない)
《役所の関連法人が集まる虎ノ門が、各省の資格講習や検査業務を請け負い、官僚組織と一体のコングロマリット(副業企業体)をつくっている。》
 これらは自分たちの飯の種、天下り先だから甘々の性善説に立たざるをえない。だから、同様の公益法人漢検」にも甘くなったわけだ。
 こんな公益法人がいくつあるか知ってますか?25,000法人もあるんですよ。そのそれぞれに理事長や副理事長がいて、その内のいくつかのポジションは天下り官僚の指定席で、はてさてその中で何が行われているのかは、ワシャら庶民にはちっともわかりまへん。ただ、はっきりしていることは霞が関虎ノ門、永田町でワシャらの税金を湯水のように浪費していることだけは間違いない。官僚と公益法人生き残り国滅ぶ。嗚呼、已んぬる哉。