霞が関の現実

 霞が関が環境バブルに狂い始めた。
 農林水産省の予算に「バイオマス実証実権施設の設置等」という予算がついている。稲わらや木質バイオマスを原料とする「第2世代バイオ燃料」の研究をするんだとさ。
 経済産業省の予算には、「バイオエタノールの革新的生産システム開発」という予算があって、食料と競合しないセルロース系の資源作物からバイオエタノールを生産するシステムを開発するという。
 内閣府の沖縄振興予算の中には、バイオ、環境などに取り組むベンチャー企業への支援費用が計上されている。
 本家の環境省では「高濃度バイオ燃料実証事業」というものが新規事業として予算化されている。何をするのかと言えば、バイオ混合燃料の安全、環境、社会的課題を抽出するのだそうな。よく解りまへん。
 あちこちの省庁でバイオエタノール施策をバラバラにやっている。こんなもの一つにまとめれば解りやすいし効果も上がるのだが、縦割り霞が関の施策は一事が万事こういった有り様だ。効率の悪いことこの上ないし、人件費だって光熱費だって余分に掛かる。

 もっと恐ろしいことがある。農林水産省がこんなバカなことをやっている。経済対策という錦の御旗で国債を発行して大きな予算を配分してもらっても、無能で使い道が見つけられないから、そのまま基金というかたちで貯金に回してしまった。何のために国債まで発行して財源を確保したのか。農水省の役人はまったく理解していない。今日の飯が食えないから銀行から高い利息で金を借りたんだろ。その借金で食料品を買うのかと思いきや、せっせと貯金して家族は飢えている、そんなバカな家がどこかにありますか。

 阿呆首相は、経済対策だと大見得をきっているが、その予算の中身たるや、ばら撒き効果すらないスカスカのハリボテ予算だということが解る。まったく首相の頭と同じだ。ばら撒きそのものの「ETC高速1000円」の馬鹿騒ぎの裏で、流通業者や夜行高速バス利用者が大きな迷惑を被っているところまで、頭が悪いから思いが至らない。机上で現場を知らぬ頭でっかちの役人が鉛筆を舐めただけの駄策と言っていい。次から次へと繰り出す経済対策、環境政策もその時々の流行で同じようなことをそれぞれの省庁が思いつきで予算づけしているだけの駄策でしかない。
 一度、この国を根本の部分から大変革をしないと大変なことになると思う。小沢さんも辞任している場合ではないと思うのだが……
 とにかく、ここまで拡大増殖した官僚組織が国を牛耳っているのは非常に危険だ。