バイオマスの話

バイオマス:生物体をエネルギー源または工業原料として利用すること(広辞苑

 環境の問題の中でも、ごみ処理というのはかなり大きな問題だ。とくに地方自治体にとっては莫大な予算を食らう負の事業と言っていいだろう。人口20万人前後の中小都市で年間に何十億円という予算がごみの処理というまったく建設的でないものに費やされている。
 それでも最近はごみの分別やリサイクルといった考えかたが浸透して、ごみの排出量は徐々に減り始めている。某市(皆さんにはおわかりだと思いますが)のデータを見ると、総量、1人1日当たりのごみ発生量ともに減少傾向を示している。平成16年には7万2000tを超えるごみが排出されていたが、自治体のごみ減量施策の成果もあって平成20年には7万tを下回るまでになった。この自治体は年間2000人程度の人口増加を続けており、その状況での「ごみ減量」ということなので褒めてやってもいい。
 自治体発行の資料を見ると、ごみの中でも減っているのが可燃ごみである。5年間で10%も減った。それに反して増加傾向のものもある。資源ごみや剪定枝である。これらは年々増えつづけ、5年前に比べてざっと25%もオーバーしているのだ。
 それでも資源ごみや剪定枝は使い道がある。これらはリサイクルに回したり、燃料用の薪や肥料にできる。ここで問題になってくるのは可燃ごみに含まれている生ごみである。だいたいこれが4割ほどを占めている。それに草木・竹などが数パーセント混じりこむ。これをどう処理するかで自治体のごみ問題は大きく変わっていく。
(下に続く)