老いらくの恋

 先週の土曜日は東京にいた。昼過ぎに飯田橋の改札を出て目白通りを九段方向に歩いていた。「飯田橋1」交差点の手前に精文館ビルがあって、その前の歩道で老人とすれ違ったのだ。モスグリーンのポロシャツを着て、グレーのズボンを履いている。腕は意外に細かった。歩きかたも矍鑠(かくしゃく)というのではなく、慎重に歩を進めているという印象だ。
 70代半ばに見えるお爺さんは、辛口のコメンテーターとして有名な、元東京地検河上和雄さんだった。

 ワシャはイベントとかセミナーとか旅行に際して、A6版文庫本サイズのノートを一つ起こす。先週の土曜日も「日垣塾 第2回 2009.5月9日」と表紙にかいたノートを用意していた。それを取り出して走り書きをする。
○九段→飯田橋
○精文堂ビル前
番記者の河上さん
○モスグリーンのポロ
○グレーのズボン
○うで細い
○歩み慎重
 ラフな格好から推測するに、河上さん、この辺りにお住まいなのかもしれない。まぁ大した話でもないので、メモに記載したまま忘れていたところ、このニュースが飛び込んできた。
http://www.zakzak.co.jp/gei/200905/g2009051302.html
 歌手の千葉紘子さんとの20年越しの恋を実らせたという。素晴らしい。その艶福報道が土曜日の少しよれっとした感じの河上さんとうまく重ならない。ま、どうでもいい話なんですけどね。