虫、巣穴に戻る

 9日ぶりに書庫に戻ってきた。でも独房のような寮の個室に馴染んでいたせいか、どことなく書庫がよそよそしい。書棚に並んだレファレンス本たちがご主人様を忘れてしまったようだ。9日も触っていないからね。みんなが警戒しながらこっちを覗っているのが伝わってくる。

 昨日は結局、後片付けに手間取り(荷物だけでもダンボール5箱もあったんですぞ)、寮を出るのが遅れたため、八重洲ブックセンターにも立ち寄らなかった。ただ東京駅構内にあるBOOKEXPRESSで4冊の本を求めた。
中島義道『人生に生きる価値はない』(新潮社)
浅田次郎『ま、いっか。』(集英社
瀧澤美奈子『地球温暖化後の社会』(文春新書)
奥浩哉『GANTZ25』(集英社
 最後の『GANTZ25』はコミックだし、他の本も軽いものばかりなので、あらかた新幹線の中で読んでしまった。面白いのは中島義道だ。「池田晶子追悼」と題しながらも池田晶子をくさしていたり、「私はどんなに綺麗でも教養のない人とは話したくない」、「教養がなくともまったく恥じていない人を深く軽蔑する」とか、相変わらず絶好調だ。あ〜面白かった。