アメリカは盛りあがっているが

 司馬遼太郎が『アメリカ素描』にこんなことを書いている。
《六〇年には、四十三歳のジョン・F・ケネディが大統領として登場する。散文的で皮肉屋で番頭さんのようなトルーマンとは対照的に、劇的な政治家だった。(政治家が、存在そのものが劇的であるというのは、世間にとっても歴史にとっても危険なのである。)劇的な文体と精神をもち、およそ治まる世にふさわしい昼行灯のような政治家ではなかった。いまからおもえばこの劇的な政治家の登場は乱世の開幕だったのではないか。》
 バラクフセインオバマ新大統領は劇的な政治家だ。彼の掲げるグリーン・ニューディール政策は、同じ民主党の大先輩、ルーズベルト大統領のニューディール政策をもじっている。このルーズベルト大統領が日本の都市を焼き尽くした空襲を命じた人でもある。
 オバマ大統領はケネディ大統領に比較される。でもね、ケネディってベトナムに軍事介入を始めた大統領なんですぞ。あやうくキューバとその背後にいるソ連との間で核戦争をおっぱじめるところだった。この人も民主党
 日本に原爆を落としたのはトルーマン大統領で民主党トンキン湾事件をでっち上げ、ベトナム戦争に本格的軍事介入したのはジョンソン大統領、この人も民主党である。基本的に民主党は戦争好きと思ったほうがいい。