官僚には勝てない その1

 昨日の「ビートたけしのTVタックル」に、時の人渡辺喜美衆議院議員と、その盟友江田憲司衆議院議員が出演していた。二人は脱官僚政治について吠えていたが、しょせん孤犬の遠吠えでしかない。
 残念ながら霞が関官僚組織を永田町政治家群が抑えこむことは極めて難しいと思われる。その理由として、まずおつむの出来が違うんだから仕様がない。確かに江田さんは東京大学卒業の秀才だ。政治家の中にも東大・京大卒はいる。いるにはいるが、多数ではない。しかし、キャリアは圧倒的多数が東大・京大など名門大学で占められている。そんなインテリ官僚に、横峰良郎や神鳥忍が頭で太刀打ち出来るわけがないじゃないか。彼らのレベルでは、田舎の町役場の総務課長にすら対抗できまい。

 江田議員はこんなことを言っていた。
「今は、官僚与党、それに自民党族議員がしがみついて、その他の政治家はオール野党だ」
 まさにそのとおりだろう。バカな政治家をおどらせて官僚が国家をやっている。
 2001年の省庁再編の折に、政治サイドから各省庁に送りこまれてくるのが大臣、副大臣大臣政務官の三役職になった。官僚がドレだけ出世しても登りつめるのはその下の地位の事務次官でしかない。省庁ではナンバー4である。しかし、官僚組織が恐れるのは大臣、副大臣ではなく、この4番目の男なんですな。だって、大臣なんて1年かそこいらで次々に首がすげ替わっていく。行政についても一夜づけでどうにかなるというものではない。そんな木っ端政治家など恐くもなんともないというのが本音だろう。でもね、事務次官はそうはいかない。生え抜きで30年、その省庁にいてごらんなさいよ。行政について隅から隅までずずずいーっと熟知している。学閥と長年の人脈に支えられ上下左右のネットワークも強く太い。そして何よりも人事権を掌握している。威張りたいだけの政治家が勝てるわけないじゃん。
(下に続く)