死に至る12の病

《地球規模で進む気温と降水量の変化により各地の生態系が変容すると、ライム病、黄熱、ペスト、鳥インフルエンザなど、さまざまな病気が大流行する恐れがある。》と、アメリカの非営利団体の野生生物保護協会(WCS)が言い出した。
地球温暖化がもたらす最も差し迫った影響は、野生生物や人間の間に致死的な感染症が急激に広まることだ》とさ。
 そりゃぁえらいこっちゃ。黄熱病や黒死病が温暖化の影響で日本に押し寄せてきたら、どうやって生き延びればいいんだ!その他にも、バベシア症コレラエボラ出血熱、腸内寄生虫および外部寄生虫赤痢リフトバレー熱、アフリカ睡眠病、結核という恐ろしげなラインナップが揃っている。どうせなら「13」にすれば、もっとインパクトがあったのに。
「死に至る13の病」
 なんだかおどろおどろしいでしょ。これではあまりにもはまり過ぎてしまうので「12」にしたんでしょうね。
 WCSは言う。この12の病を抑えこむには、WCSを含めた野生動物を研究する団体に研究費や補助金を出すことが重要であると。な〜んだ、結局、金が欲しいから危機を煽っていたのか。
 温暖化が進むと、上記の感染症を媒介するマダニ、蚊といった生物の生息圏が拡大し、日本列島にも南からいろんな虫がやってくるだろう。でもね、日本の医療体制のレベルは高いし、衛生状態は極めて良好なので爆発的に病気がまん延するなんてことはない。例えば野口秀世を葬った黄熱病でも、ワクチンを接種することで予防が可能だ。14世紀のヨーロッパで3000万人の犠牲者を出したペストも、衛生状態さえ良好ならこんな被害は出なかった。幕末の日本を襲ったコロリにしたってさ、通常の接触では人から人への感染リスクは極めて低い。不衛生な食材や調理環境に気をつければ大流行には至らない。まず、先進国は大丈夫だ。
 問題は発展途上国である。未だに不衛生な環境に置かれている人々が多数存在する東南アジア、アフリカ、南米などはこれらの病に対して脆弱だ。一刻も早く衛生的な生活を確保し、高度医療体制を築いておかなければいけない。それにはどうするか。今ある化石燃料をガンガン使って、後進地域に光をあてるしかあるまい。先進国のマスターベーションでCO2の削減に予算を費やしている場合ではない。後進地域で、死に至る12の病に怯えながら暮らしている人々のために使うのだ。その方が地球温暖化を阻止するなどという絵空事よりも、はるかに多くの人々を救うことになるぞよ。アーメンソーメンヒヤソーメン