滑稽な人々

(上も読んでね)
 聞いた話なんですが(笑)、柔道の解説をしていた篠原信一がおバカですな。100キロ超級の外人選手についての感想を求められた際に、「この選手は、自分が現役だった当時、世界で一番強かった……おっと、もちろん僕が最強でしたけどね」と自慢高慢することを忘れない。石井慧選手が金メダルを取ったときのコメントもマヌケだ。アナウンサーが「石井、頑張りました。やりましたね、篠原さん」と振ると、篠原はこう答えた。
「まぁよくやりましたよ。まぁ、因みに私はこの相手に圧勝しましたがね」
 誰もおまえのことなんか聞いていない。石井選手の奮闘に対して解説者として冷静にコメントすればいいのに、この口の軽い男は自分のことばかりベラベラとよく喋る。この男が解説者でデビューしたてのころのエピソードに、ある国際大会の優勝候補を尋ねられ「私に勝てれば優勝」などととぼけた発言をしていたことを思い出した。この大男、ずーっとそんなことばかり口走ってアナウンサーを困惑させてきたんですな。
 石井選手が優勝インタビューの際に、ほっとしたのだろう。けっこう滑らかに受け答えをしていると、篠原がぼそりとこう言った。
「石井は話し過ぎ、もう少し控えた方がいい」
 それはお前だっちゅうの。

 これも聞いたはなしなんですが(笑)、柔道女子78キロ超級、男子100キロ超級の試合の時、応援席に金メダルの内柴、谷本、上野らがいた。もちろん仲間が戦うのを声援したいということなのだろう。「偉い!」と思ったのは、100キロ級の鈴木桂治が散々な負け方をしたにも関わらず、応援席に現れて石井や塚田に声援を送っていた。負けて居たたまれないだろうが仲間のために頑張る、それが大切だ。「田村で金、谷で金、ママレモンで金」とか言っていた日本柔道界の象徴のような選手は、金メダルが取れなかったら、子どもの調子が悪いのを理由にして、仲間に声援を送ることも拒否してさっさと日本にけえっちまった。子持ちで柔道をやっているんだ。オリンピックに参加する時点で、子どもの病気とかケガは折り込み済みではないのか。そんなことを理由にして帰国しているんじゃない。78キロ超級の塚田真希だって、谷の実績からの助言や応援があれば金メダルを取っていたかもしれないじゃないか。
 子どもの病気は心配だ。しかし、自分の思い通りにならなかったということで、仲間を見捨てて退場してはいけない。