昨日、テレビ東京系で『刺客請負人』の第2部が始まった。
http://www.tv-tokyo.co.jp/shikaku1/
上記は2007年の前回分である。今回分はまだ現時点でアップされていない。まぁ、そこがテレビ東京らしいところではあるんだけどね。
さて、この時代劇に「闇猫のお吉」という登場人物が出てくる。この冷徹な殺し屋を若村麻由美が演じている。これがいい。これが巧い。
http://www.tv-tokyo.co.jp/shikaku1/chara.html
人物紹介の「松葉刑部」の次にあるでしょ。この妖艶な「闇猫のお吉」が、詰まらぬドラマを、孤軍奮闘して引き立てているのである。
昨日の物語に、こんなシーンがあった。
川面を猪牙船が滑るように進んでいる。櫓を操っているのは漆を施した濃茶の唐笠を目深に被ったお吉である。花浅葱の縞小袖、白の角帯、絽の羽織といった出で立ちで川風に吹かれる姿はこの世のものとは思えない。
石橋下の影の中に松葉刑部が待っている。猪牙は吸い寄せられるように近づいていく。
この役をやるにあたって若村はこんなコメントを出している。
「人間くさい刑部に対して人間じゃないお吉というふうに見えたらなと。ミステリアスで、もしかしたら人間じゃないと思っていただけるように、美しく怖く演じることができたらと思っております」
うむうむ、充分にミステリアスで妖艶ですぞ。若衆髷が良く似合っている。是非一度、歌舞伎の「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」で弁天小僧菊之助を演じてもらいたいのう。
一時、某教団の教祖と結婚して芸能界から干されていたが、誰と結婚しようが、どんな境遇になろうが、いい役者はいい役者、華は華なのだ。誰に遠慮する必要があろうか。どうどうと舞台に銀幕に登場して欲しいものじゃ。
それにしても、村上弘明さんはずいぶん老けちまったね。それに鬘(かつら)も村上さんの雰囲気に合っていない。若村さんがいいだけに、村上さんの弛んだ頬が際立った。がんばれー色男。