生態系サービスとは、人類が現代文明を維持していくために生態系が果たしている必要欠くべからざる恩恵のことなのじゃ。酸素供給などの大気の調整、気候の調整、水資源の供給、土壌浸食の制御、窒素、リンなどの循環、廃棄物の処理などなど多岐にわたっている。このサービスを金額換算すると、全世界の国民総生産の倍以上になるという試算が出ている。
今まで人類は生態系サービスが無料であることにつけこんで、浪費し続けてきた。今も浪費している。
池という「閉じられた生態系」の中でアオモが異常繁殖したとしよう。アオモは水中の酸素を消費し溶存酸素濃度の急速低下をもたらす。このために他の水生植物、魚、エビ、貝などの生き物が全滅し水質汚染が引き起こされる。
地球の環境というのは「閉じられた生態系」だ。その中で脊索動物門・脊椎動物亜門・哺乳綱・サル目(霊長目)・真猿亜目・狭鼻下目・ヒト上科・ヒト科・ヒト属・ヒト種という生物が異常繁殖した。ヒトは酸素やエネルギーを浪費し環境を破壊し続けている。いずれ、この「閉じられた生態系」が崩壊していくことは確実だろう。
すでに生態系サービスの6割が悪化して、持続できない状態になっているとする説もある。アメリカのように、5%の人口で40%のエネルギーを使うというのは異常だ。中国やインドがアメリカと同様の生活を望むとすれば、生態系サービスはあっというまにゼロになるだろう。
ヒトが「地球」という舟に乗り合わせている。定員をオーバーして乗っているので舟底から水が入ってきた。でも、乗り合わせたヒトは目先の利益確保に躍起となっている。だから、舟底の危機まで気が回らない。もう半分以上が沈み、水を汲み出すのも限界の時期が来ている。ならば、どうする?乗っているヒトを川に突き落とすか。半分ぐらい川に叩き込めば舟はずいぶんと軽くなるぞよ。
手を拱いていると、本当にそんな状況になっちまいますぞ。桑原桑原。