黄鶴楼にて

「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」。酒仙と言われた盛唐の大詩人李白の名詩である。

故人 西のかた 黄鶴楼を辞し 
烟花 三月 揚州に下る
孤帆の遠影 碧空に尽き
唯だ見る 長江の天際に流るるを

 滔々と流れる長江に、心細げな舟影が遠ざかっていく。あの舟には親友の孟浩然が乗っている。じっとそれを黄鶴楼から見つめている李白、あるいは盃をもっていたかもしれない……風光明媚な長江の様子が浮かんできませんか。
 そんな詩情豊かな長江(揚子江)が、今、危機的状況にある。「魚類絶滅の危機、中国・長江の汚染で生態系に異変」というニュースである。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140129/chn14012908080001-n1.htm
 なんと、ヨウスコウカワイルカは絶滅してしまったという。そして今また揚子江に棲息するスナメリも絶滅の危機に瀕している。
 ケネディ駐日大使も、太地町の適正なイルカ漁を責めている暇があったら、支那共産党にスナメリの保護を訴えなさいよ。スナメリは猛毒の水の中でもがいている。急がないと手遅れになりまっせ。
 環境テロリストシーシェパードも、上品な日本の南氷洋調査捕鯨を槍玉にあげるばかりでなくてさ、あのヘンテコリンな高速船を揚子江に乗り入れて抗議しなさいよ。あっという間に撃沈されるけど。
 このまま放置しておけば揚子江に棲息する生き物はまもなく消えていく。詩人たちが愛でた大河も死の河になり果てて、その代わり地獄の蓋が空いてPM0.5などというとんでもないものが空気中を泳ぎ始めた。PM2.5よりもさらに危険な物質なんだとか。今日から2〜3日は大陸から押し寄せる煤煙などに混じって危険な物質が日本を襲う。それにしてもとんでもない体制の風下にいたもんだ(泣)。
このPM0.5、空気清浄器などでは除去できないというから、北京にいる最高幹部のお歴々も連日被曝しているのではないか。自分たちの寿命も蝕まれていることに気がつけば、もう少しまともな環境対策をすると思うのだけれど。
 理想の共産主義を追い求めた結果、理想と現実のギャップを知った支那中国人は演歌師の添田唖蟬坊(あぜんぼう)が1925年につくった「金々節」のようになってしまった。経済(金)のためなら、揚子江が干上がろうと、イルカが絶滅しようと、大気汚染で人民が苦しもうと、「金だ金々 金々金だ 金だ金々 この世は金だ……」ということらしい。
 李白や孟浩然のような、上等な支那人はどこに行ってしまったのやら。