冗談じゃない

 岩手・宮城内陸地震による8人目の犠牲者のニュースが16日の午後配信された。そのニュースを捜したが見当たらなかったので書いておく。
宮城県警は16日、仙台市青葉区の男性会社員(37)が、自宅アパートで数百冊以上のマンガや雑誌などに埋もれて死亡しているのを発見したと発表した。県警では岩手・宮城内陸地震で災害死した可能性もあるとみて死因を調べている。(中略)調べでは、男性は本を四方に約2メートルの高さに積んだ部屋の真ん中で、本に押しつぶされる形で倒れていた。胸や腹が圧迫されており、同署では本の重さで息ができなくなった可能性があると見ている。》
 ワシャは地震直後に新潟県中越にも能登半島にも入っている。だからどのくらいの震度で家が倒れるか、人的被害が出るかをつぶさに見てきた。今回の男性が亡くなった仙台市青葉区震度5弱である。新潟中越地震であれば群馬県南部から埼玉県北東部、能登半島地震なら石川県羽咋市の震度に当たる。もちろん双方とも5弱の地域では人的物的被害はほとんど見られなかった。
 通常、震度5弱では死者はでないのだ。しかし、今回、仙台市青葉区では死者が出てしまった。でもね、これは地震による死者というより、本による死者といった方が正確でしょう。
 ゲゲゲ!
 ワシャは今、書庫(物置ともいう)で一心不乱にパソコンのキーボードに向かっている。ふと殺気を感じて周りを見上げれば、2.9メートルの高さに積まれた本に包囲されているではあ〜りませんか。冊数は数百冊ではとてもきかない。この物量が一気に殺到してきたとしたら、まんず、ワシャは助かるまい。押し潰されるのが『笑伝 林家三平』(新潮文庫)、『みんなの寅さん』(朝日新聞社)くらいならまだいいけど、『官能小説用語表現辞典』(ちくま文庫)、『男と女の事典』(西東社)、『妄想事典』(河出書房新社)系の本の下敷きになって見つかると格好悪いなぁ……朝青龍のぶっちゃいくな顔がアップになっている『ドルジ 横綱朝青龍の素顔』(実業之日本社)だけには押し潰されたくない。どうせなら、『亜弥とあやや』(ソニー・マガジンズ)、『P.S.ILOVEYOU中山美穂』(ニッポン放送出版)、『星花火 夏目雅子写真集』(新潮社)に押し潰されたいワルシャワであった。

 冗談はさておき、先日、小林よしのりの「ゴーマニズム宣言」で有名なK先生のマンションにお邪魔をした。K先生のお宅も本だらけで不安定な本棚が何本も並んでいた。防災屋の眼から見て、転倒防止をされた方がいいと思いました。ワシャが言っても説得力がないんですけど。