詰将棋

 昨日、副社長とある事業のことで議論になった。なにしろ副社長は親会社から出向してきている切れ者だ。なかなか手強い。しかしワシャも顎が強いので鰐と言われている。負けてたまるかという意気込みでがっぷり四つに組んだ。
 周囲の社員がハラハラしながら見守る中、詰将棋のようなディベートが丁丁発止と続いた。議論が始まってどれくらい経っただろうか。咽喉が乾いた。そう思ったときに魔が差した。事業概要に書かれていることと矛盾することを口にしてしまった。他の社員なら見逃しただろう。しかし、副社長、頭がいい。その一言に食いついてきた。態勢を立て直そうと努力したのだが、結局、その一点からワシャの主張は否定された。まさに蟻の一穴が堤の崩れを呼んだ。
「くやしいです!」(ザブングル風)
http://talent.yahoo.co.jp/talent/11/g02-0015.html
 新しいプロジェクトに参画して、ちょこっと調子に乗りすぎていたようだわい。久しぶりに己が馬鹿だということを痛感した。

 そういえば師匠の日垣隆さんが、こんなことを言っていたなぁ。
「どうすれば喧嘩に勝てるのか。それは、相手よりずっと広い視野と結末への見取り図をもつことに尽きる」
 ううむ、確かに視野狭窄に陥り、将来への見込も甘かった……もう一度、勉強のやり直しだ。